「たく、なんで俺がこんな事に」
はぁ……と大きなため息をついて、椅子に座る薬師寺を眉村はジっと凝視していた。
初めこそ、どこの誰かもわからないガキが勝手に部屋に上がりこんで荷物を物色していると思いイラついていたがそれが薬師寺だと思うと、自然と頬が緩んでゆく。
小学生くらいの薬師寺は、頬杖をついてうーんと頭を悩ませている。
そんな仕草すら、可愛らしいと思ってしまい不埒な想像にブルブルと首を振る。
しかも今現在の彼の格好は、ダボダボのシャツに下着一枚というオイシイ格好をしている。
時々薬師寺がいつものクセで足を組みかえるたびに、眉村は鼻血が出そうになり自分を抑えるのに必死になっていた。
「どうかしたのか? 熱でもあるか?」
そうとは知らない薬師寺の小さな手のひらがにゅっと伸びて額に当たる。
上目遣い(眉村にはそう見えた)で見つめられ、堪らずその腕を掴み膝の上に乗せて口付けた。
「んんっ……んっ!?」
小さな口腔内はとても熱く喉の奥から湧き出てくるその声すらも全てを奪いたい衝動に駆られて深く何度も唇を塞ぐ。
「はっぁっ……ば、バカッ! なに考えてるんだ!!」
気が付けば向かい合わせで座ったままダブダブの下着のなかへ手を入れてゆっくりと扱き出され、薬師寺は何とかそれを止めようと必死になって腕を掴んだ。
けれども高校生のしかも投手の力には到底適いそうにもない。
「ぁっん……や、やめっ」
肩を竦めハァハァと呼吸を乱している彼に、いつも以上の興奮を覚え堪らず眉村は彼を抱えたままベッドへと組み敷いた。
服を捲り上げ薄い小さな胸の飾りにチュッチュッと吸い付くと、ビクビクと身体がしなった。
「あん、健やめろぉ……ッ俺……変になるっ」
「なんだ乳首だけでそんなに感じるのか? ふふっ……可愛いやつだな」
「うっせぇよっ……はぁっ……あふっ」
ゆっくりと確実に刺激を与えて行く。
「あっは……っも……イクっ!!」
一際大きく身体をしならせて、眉村の手の中に精を放った。
吐精後の脱力感に浸っていると眉村が秘部に指を突き入れようとして、薬師寺は慌ててそれを止めた。
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