眉薬 他
LoveSick
薬師寺が文句を言いに来るくらいだ、よほど何かあったに違いない。
どうしたらいいものかと、考えていると部屋のドアが勢いよく開いて、吾郎が飛び込んできた。
「おいっ監督!!、俺の部屋を変えてくれよ!!」
「「!?」」
二人は、突然現れた人物に目を丸くした。
「ちょっと! 今日は一体どうなってるのよ??」
静香の言葉は吾郎には聞こえていないようで、視線は薬師寺に向けられた。
「・・・なんだ、薬師寺も来てたのかよ」
「あ・・ああ、ってか、お前も一緒か」
「なんだよ、一緒って??」
「お前も、佐藤との同室がイヤになったんだろ?」
「って、言うことは・・・お前もか」
「まぁな」
お互いに大体の事情が飲み込めた二人が苦笑していると、横から静香が口を挟んだ。
「・・・何があったかは、知らないけれど・・・まぁ、いいわ、そんなに変わりたいなら、あなた達の好きにしなさい。2,3日入れ替われば文句も無いでしょ?」
面倒なことに巻き込まれるのはごめんだとばかりに、ゆるく息を吐きながら、再びカップに口をつける。
こうして、二人は部屋を入れ替わることになった。
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