「・・・・・・俺、夕べ何やってたんだっけ?」
翌朝、早く目が覚めた薬師寺は、腰から響く鈍い痛みに顔をしかめた。
途中から記憶がすっぽりと抜け落ちていて、自分がいつ眠ったのか、よく覚えていない。
隣では、裸のまま眠る眉村がいて、苦笑した。
(いつもなら、服来て寝るのに・・・)
ジッと、彼の様子を観察していると、眉村がうっすらと目を開けた。
「・・・・夕べは、一体どうしたんだ?」
開口一番に言われ、薬師寺は困った。
「どうしたんだと言われても・・・よく覚えてねぇし」
「当たり前だろう。ったく・・・夕べ何回ヤッたと思ってるんだ」
珍しく呆れ顔の眉村に、薬師寺はいやな予感がした。
あまり、聞きたくない、聞きたくないが、聞いておいたほうがいいような気がして恐る恐る尋ねた。
「どんくらいだよ?」
「・・・・俺だけで6回はイカされた」
「はっ、6回!?・・・なんでそんなに!?」
「なんでって・・・お前が『もっと、もっと止めるなぁ』ってせがんだからだろ」
彼の言葉に、薬師寺は凍りついた。
「バカ言うんじゃねぇ・・・俺がんなこと言うはず・・ねぇって」
「別に信じる信じないは薬師寺の勝手だが」
ゆるく息を吐き、顔を引きつらせている薬師寺に苦笑した。
「一体夕べのお前はなんだったんだろうな?」
「俺が知るか!!」
その後、ヤりすぎで腰が立たないことが判明した薬師寺は朝練を休み、寿也はさりげなく眉村から薬師寺の様子を聞きだして、媚薬の効果を確認。
その何日か後吾郎が薬師寺と同じ運命をたどることになるのは、寿也しか知らない。
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