「どうした?」
「・・・キス・・したい」
「・・・は?」
熱く息を吐きながら、突然予想だにしない言葉を言われ眉村は目を丸くした。
一瞬聞き間違いかと思い、眉を寄せる。
「今・・・何て言った?」
「だ・・・・だからっキスしたいつってんだろうが!」
何度も言わせんな!
いつもの調子で言われ、珍しいこともあるもんだ。と呟く。
(あーっ、早くしろよ。ガマンできねぇんだよ!)
心の中で叫びながら、一向にキスしようとしない彼にもどかしさを覚え、半身を起して腕を思いっきり自分のほうへ引っ張りこむ。
「お、おい・・!」
バランスを崩し自分の上に覆いかぶさるようになった眉村の首に腕をまわして、自ら唇を塞ぐ。
(ど・・どうしたんだ、一体!?)
眉村はあまりにも積極的過ぎる行動に戸惑いを隠しきれなかったが、情熱的な口付けに魅了されて貪るようにキスを続けた。
「随分と、きょうは積極的だな」
唇を離すといつもなら文句の一つでも言うはずの彼が、誘い込むような瞳でジッと眉村を見つめていて、思わず喉がなった。
「・・・・誘ってるのか薬師寺」
「そうだ・・っつったら・・・お前・・どうする?」
妖艶な笑みを浮かべ熱い息を吐く。
その仕草に眉村はクラクラした。
「俺・・・早くお前が欲しい・・・。ひとつになりたいんだ」
「薬師寺っ!!」
そんな事を言われると、我慢できるはずもなく首筋に舌を這わせる。
「・・・はっぁ・・・」
ビクンと身体を震わせ、眉根を寄せる。
首筋に触れられただけで、電流が走ったような感覚になりさらに中心が疼いた。
「なぁ・・・もう、いきなりで・・いいから・・・欲しい」
「なにっ!?」
「なんだよ・・・イヤなのか?」
とても妖艶なその姿に焚きつけられて眉村は首を振った。
「本当にいいいんだな?」
確認をすると、小さく「ああ」と聞こえた。
恥ずかしいのか視線を逸らしながら言われ、ズボンと下着を剥ぎ取り、自分の着ているものも脱ぎ捨てて、秘部へと押し当てる。
さすがに慣らしていないソコはいきなり受け入れるのに抵抗があるようで、かなりぎゅうぎゅうに締め付けてくる。
「おい、無理するとマズイ。やはり慣らしてからのほうが・・・。」
「いい。平気だから」
薬師寺がふぅっと息を吐いて緊張がほぐれたと同時に奥へと侵入する。
同じ事を繰り返し、全てを収めるとゆっくりと律動を開始した。
だんだん、動きを早めていくと甘い声が断続的に洩れ出る。
「は・・ぁっ・・ふんっ・・眉村ぁ・・・もっと・・シテ・・」
(どうしたんだ、今日の薬師寺は絶対おかしいぞ)
自ら腰を動かし、夢中になっている彼に首をかしげつつ要求どおり激しく腰を打ち付ける。
「ああっ・・・あーっ・・・・!」
今まで燻っている熱が一気に突き上げれられて、彼は頭の中がからっぽになるほど感じてしまって、我を忘れるほどだった。
「もっと・・・激しくして・・・ぁああっ眉村ぁ!」
何がなんだかわからないまま、その夜はただひたすら彼の名を呼び、「もっと、もっと」を連発し眉村を困らせた。
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