眉薬 他
LoveSick
その時、ちょうど視界に眉村と薬師寺の姿を捉えた。
(薬師寺なら・・・眉村が一緒だし・・)
彼の標的は薬師寺に決定。
早速、水の入ったコップにボトルのふたを開け、数滴中へ落とす。
少し入れすぎた気もするが、それは気にせず薬師寺達が席に着くのを待つ。
最近はたいてい4人で食事をすることがよくあるため、自分の向いに彼が座るのはわかっていた。
「ここ、空いてるか?」
寿也が手でどうぞと合図を送ると、案の定薬師寺は寿也の前に座った。
「はい、これ」
「ああ。悪い」
いつもと同じように、コップとお絞りを渡す。
寿也の完璧なポーカーフェイスに何をたくらんでいるのか誰も気付くことはなかった。
食事を終えて、薬師寺は媚薬入りの水を躊躇いもなく一気に飲み干した。
「この水なんか変な味がするぞ?」
「俺のはいつもと変わらんが・・気のせいだろ」
「てか、全部飲んでから気付くのってどうなんだよ?」
後味の悪さに顔をしかめる薬師寺に寿也は一瞬バレたのかと思いギクッとした。
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