「ハァハァ、すっげ……俺、こんなに気持ちよかったの始めてかも」
惚けた表情でそんな事をいう。
そんな事を言われたら俺は……っ。
「って、おい! 何続けようとしてるんだっ!」
ついムラムラして続けようとすると薬師寺から抗議の声が上がる。
「可愛い事言うお前が悪い!」
構わず身体を反転させ、ソファに突っ伏させた状態で腰を掴んで突き上げるとすぐに鼻から抜けるような声が聞こえてくる。
「なんだかんだ言ってまんざらでもなさそうじゃないか」
「ち、ちがっ! 俺は別にぁあっ……」
ブンブンと頭を振りながらも身体は快楽に弱いのか、淫らに腰が揺れる。
「ああっ、駄目だ! あっあ――っ!」
薬師寺はいつもより敏感な反応を示し、俺も夢中でそれに応えた。
「――どうだった? 試してみたかい?」
翌日、佐藤が怪しげな笑みを浮かべながら近づいてきた。
「ぁあ。堪能させて貰ったぞ」
今日は薬師寺は練習に出ていない。
いや、出たくても腰が砕けて足が立たなかったのだ。
俺の答えを聞いて、佐藤は嬉しそうに「そっか♪」と呟くとニヤリと笑った。
「これで僕も、これを安心して吾郎君に仕えるよ」
「!? どういう事だ?」
意味深な佐藤の台詞。
「まさか騙したのか?」
「ん? あながち嘘でもないよ。僕が買ったのは事実だし。ただ、効果が無かったら返品しようと思ってたのは事実だけどね」
それだけさらりと言うと、佐藤は何事も無かったかのように茂野の元へと行ってしまった。
つまり、俺たちは実験台だった、と言う事か……。
そう思うと少々複雑だが、イイ思いをさせてもらった事には変わりない。
こんな実験台ならまたなってやってもいいかなと思う。
NEXT あとがき
前/ススム