「だからっお前の……がいいんだよっ」
これでもかと言うほど真っ赤になって、恥ずかしそうに顔を手の甲で隠してしまう。
もう少し焦らしてやろうかと思っていたがそんな可愛い事を薬師寺の口から聞かされて我慢できるほど眉村も大人ではない。
散々恋人の痴態を目の当たりにして、はちきれんばかりに膨張した自身がズクズクと痛みを伴って自己主張を始める。
「薬師寺っ!」
堪らずジャージを脱ぎ捨てると、腰を高く持ち上げドライバーを引き抜くと同時に一気に挿入した。
「くっ、凄くきつい」
「ぁああっ! 健っ」
ギシッギシッと激しくベッドが軋み絡み付いてくる肉壁を堪能する暇も無く夢中になって打ち付ける。
自然と回された腕の温もりを感じながら貪るように口付けて一週間ぶりの肌のふれあいを堪能した。
「はぁはぁっ、も、無理っこんなの、ぁあっ!」
「何を言ってるんだ。こんなものじゃ足りないだろう?」
枕木で頭を打ちそうになった薬師寺の身体を引き寄せ、片足を肩に掛け身体を斜めに傾けて打ち付ける。
一体どのくらいの時間抱き合っているのか。
今が何時なのかはわからないが夕食の時間がとっくに過ぎている事は確かだろう。
もしかしたら風呂の時間も消灯時間も過ぎてしまっているかもしれない。
何度果てても飽き足らず、幾度と無く体位を変えては打ち付ける。
「なんせ一週間分だからな。今夜は眠らせないから」
「はぁっ!? む、無理! んぁあっ、ぜってーむりっ! 久々だからってヤりすぎだっ!」
初夏の夜、二人の行為は永遠に続けられた。
そして次の遠征出発の日。
「薬師寺。お前にコレを渡しておく」
そう言って渡された一つの箱。
「なんだよ、これ」
「俺が居ない間きっと役に立つから」
「?」
真面目な顔をしてそれだけ言うと、眉村は部屋を出て行ってしまった。
(一体なんなんだ?)
不思議に思いそっと中を覗いて見る。
「こ、これは……」
中から出て来たものは男性器を象った黒光りするバイブ(極太)。
(こんなもん……誰が使うかぁああっっ!!)
思わず床に叩きつけ、二度と戻って来るな! と悪態を吐く薬師寺だった。
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