薬師寺が淫蕩に耽っている丁度その頃、眉村たちは予定より二日も早く寮に戻ってきていた。
一週間ぶりに彼に会えると思うと自然に浮き足立ってくる。
静香達への報告は阿久津達に任せ、眉村は自分の部屋へ足早に向かった。
ところが――。
部屋のドアを開けようとして、思わず立ち止まる。
中から人の声が洩れて来たのだ。
(チッ、誰か居るのか)
一刻も早く会いたいと思っていただけに、落胆は大きい。
眉村は小さく息を吐くとゆっくりとドアノブに手を掛け中を覗きこんだ。
部屋の中は予想外に薄暗く、人が談笑している気配は無い。
不思議に思い一歩踏み出すと艶っぽい嬌声が耳に飛び込んできた。
「ぁ……ぅんっ……」
「!?」
何がどうなっているのか事態が理解できずその場に足が縫い付けられたかのように硬直する。
その目の前ではベッドの上で秘部にドライバーを突っ込みあられもない声を上げる恋人の姿。
眉村の存在に気付いていないのかグチュグチュと卑猥な音が辺りに響いている。
「っは……ぁあっ健っ! ぁあっ」
「……っ」
普段は絶対に見る事の出来ない恋人の痴態に思わず息をするのも忘れてしまうほど。
会えなかった一週間。ずっとこんな事をしていたのかと想像しゴクリと生唾を呑み込んだ。
「随分楽しそうだな」
「えっ!? あっぁ、ま、眉村!?」
突然声を掛けられ、薬師寺はギョッとして動きを止めた。
いきなり現れた眉村の存在に驚き、咄嗟にその辺りにある布団に包まろうとしたが、あっさりと腕を掴まれた。
「俺が居ない間こんなものを代わりにしていたのか……随分淫乱になったもんだ」
「んっ! っふぁ……ちがっ、これはたまたま……っ」
片手で腕を押さえつけ、慌てて閉じようとする股の間に身体を滑り込ませそれを阻止。
ジッと尻に刺さっているドライバーを見つめると、その視線に耐えられなくなった薬師寺は恥ずかしさのあまりにぎゅっと目を閉じた。
「まだ途中なんだろう? 手伝ってやる」
それだけ言うと眉村は薬師寺の右手を掴みそのままドライバーを握らせる。
抵抗する腕を押さえつけグッと深く挿入すると彼の身体が大きく仰け反った。
「いい声だな。コレで充分イケそうじゃないか」
「ぁあっ、やめっ、ふぁあっいやだ」
軽く扱くとそれだけで先走りがトロトロと溢れて眉村の手を濡らす。
「何がいやなんだ? 気持ちよさそうにしてるじゃないか」
「……っドライバーじゃ、イキたくねぇ」
「じゃぁ、どうしたいんだ?」
「それはっ……っ」
わざと顔を覗き込みながら尋ねると、今にも顔から火が出そうなほど真っ赤になって口をパクパクさせる。
その間にもドライバーの手は緩めず抜き差しを繰り返す。
「言わなきゃわからんぞ」
「……お前の……を……くれ」
「なんだって? よく聞こえん」
「……っ」
追い詰めてゆくと観念したのか薬師寺は髪をかきあげ潤んだ瞳で睨みつけながら口を開いた。
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