薬師寺SIDE
俺が、言いたかったのは、最近、眉村が強引にアレをシテ来なくなったから。
以前は毎晩のように「銜えろ」だの「舐めろ」だのと言って、無理やり俺の口にブツをねじ込もうとしてたが、最近はそれがねぇ。
いや、・・・そういった拷問から開放されて、万々歳なんだ。
だけど・・・なんつーか、妙に優しいからなんか変なモンでも食ったんじゃないかと思って、気になった。
けど、よく考えたらそんな事聞けるわけないし・・・・(決して銜えたいわけじゃねぇぞ)
聞いたら、絶対口の中に突っ込んでくるに決まってる。
だから、口が裂けても聞けないんだ。
そういや・・・普通、銜えたりするモンなのか・・・?
俺が、拒んでんのがおかしいのかな?
「なんだよ、薬師寺。俺に聞きたいことって」
「あー・・え・・とだな・・・その・・・」
次の日学校で、ほんのちょっと魔がさして、茂野に聞いてみたい衝動に駆られて、声をかけた。
かけたのはいいんだ。
いざ、自分が聞きたいことを思い出して、つい言葉を濁しちまう。
ってか、なんつー事を聞こうとしてるんだよ! 俺は・・・・。
「あんだよ。眉村と喧嘩でもしたのか?」
「違う・・・そうじゃなくて・・・・その・・・、お前はさ・・・佐藤にアレ・・・・したこと、あるか?」
「アレ?・・・なんだよ、アレって・・・」
「っ・・・だから、アレだよ、・・・・」
「わっかんねぇよ。アレじゃぁ」
首をかしげて、俺を見つめてくる。
わかれよ!・・・・同じ立場として大体のニュアンスでわからねぇか!?
仕方がないから耳打ちしてやったら、茂野の目が丸くなった。
思考が止まってんのか、そのまま動かねぇ。
「なに? 薬師寺って・・・そんなに眉村のヤツ銜えたいのかよ? 変わってんな。お前」
「ちっがーう!!・・・そうじゃねぇ!」
そうじゃなくって・・・、茂野たちがどうなのか知りたいだけなんだよ。
「ってか、んなこと知って、どうすんだよ?・・・俺が寿也のヤツ銜えてるっていやぁ、お前もするわけ?」
・・・・・・・・っ
そこまで、考えてなかったぜ。
「俺はさぁ・・、やっぱ寿也が好きだし、アイツにも喜んでもらいたいから・・・やってって言われりゃするぜ?・・・・確かにすっげぇ恥ずかしいけどよ・・・。つーか、もっと恥ずかしいことやってんだから、何の問題もねぇし・」
頬を染めて、鼻の下をこすりながら、茂野がそう言った。
そうだよな・・・。
別に、恥ずかしがることはねぇよ。
「ま。ガンバレヨ♪・・・スッゲェ機嫌がいい眉村の顔、明日にでも拝んでやるからよ♪」
「バッ・・・バカッ・・・俺は別に・・・あんなヤツのもんなんか・・・」
「あー、わぁった、わぁった」
大きな誤解をしながら、茂野は行っちまった。
・・・・・・ハッ!
しまったぜ!アイツの口止めすんの忘れてた!!
このままじゃ・・・茂野から、佐藤に話が筒抜けになっちまうっ!!
俺は慌てて、茂野の後を追いかけた。
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