夕食が終わっての自由時間、俺は自分のベッドで読書をしていた。
最近付き合い始めたばかりの薬師寺はテレビを見ながら時々俺のほうにチラリと視線を送ってくる。
「・・・・・・なんだ?」
「な・・・、なんでもねぇッ」
俺と目が合うと、熟れ過ぎたトマトように真っ赤になってすぐに視線をそらす。
???
どうかしたのだろうか。
突然、アイツから好きだといって告白されてとりあえず俺も嫌いじゃなかったからOKして付き合いだした。
男同士という事をのぞけば、とりあえず普通の恋愛をしていると思う。
今みたいに頬を染める仕草なんかは、やはり可愛いと感じるし、一緒に居るだけでも楽しいと思う。
身体の関係も数回もったが、まぁ、それなりによかったんじゃないかと感じている。
でも、なんと言うのだろう・・・・。
うまく言葉で言い表せないがどうも俺達の間には温度差があるように思う。
なんとなく、付き合っているというのがやはりまずいのだろうか?
俺は読みかけのページにしおりを挟み、薬師寺の座っているソファの横に座りなおした。
さすがに、大の男が二人で座るには少しばかり狭い。
必然的に密着状態になると、俺の腕に薬師寺の腕がスルッと絡んできた。
「・・・・なんだ?」
ジッときつい三白眼を緩め僅かに頬を染めながら上目遣いで見つめられ、一瞬ドキッとしてしまう。
「な・・なんでもねぇよッ」
ふいっとそっぽを向いたやつの頬を両手で包み込むとそっと口付けを交わした。
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