薬師寺 SIDE
此処2週間ほど、眉村の様子が変だ。
今まではウザイくらい、抱きついてきたりしてたのに、最近はぱったりそれが無くなった。
それどころか、俺の顔を見ようともしない。
・・・・なにか、あったのか?
あんなに毎日スキンシップを諮ってたやつが、突然何もしてこなくなって、ホッとしたのは最初の数日だけだった。
毎日同じ部屋にいて、恋人同士ならやっぱ触れ合いたいって思うだろ?
けど・・・、自分からなかなか言い出せずにいた。
だって、言える訳ない。
自分からシたいなんて・・・言えるわけが・・・・・っ
昼間は、邪念を捨てるように練習に打ち込めるけど、夜になって二人っきりになるとついつい、アイツの口元とかよく手入れされた手とかに目が行ってしまう。
ダメだダメだと思っていても、必死に気を紛らわそうとしても淫らな考えが頭をよぎる。
俺が風呂から戻ってくると、眉村はソファで転寝していた。
クークーと眠るその顔に俺は不覚にもドキドキしてしまう。
形がいいその唇に目が行って、シャツから覗く肌に触れたいと思ってしまった。
・・・・・・・・キス、したい。
最近全くキスもしてない。
少しだけ・・・・、触れるだけなら・・・。
寝てるし一瞬ならわからない・・・・よな。
でも、もし・・・もし起きたら?
起きたらどうなるんだ?
色々な葛藤があった後、結局俺は我慢できなくてソファで眠る眉村にチュッと口付けた。
暖かくて柔らかいその感触に少し触れるだけのつもりが、もう1回触れたいと思ってしまう。
1回・・2回・・・チュッチュッと音がして、だんだん俺は触れるだけじゃ物足りなくて、だらしなく開いたその口に舌を割りいれた。
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