練習後すぐに俺は大浴場に足を運んでいた。
普段は最後のほうで入ることに決めているが、さすがに夏が近いこの時期は、ムシムシしててユニフォームが汗で張り付いて気持ちが悪い。
あまりゴチャゴチャしてる中で入るのは好きじゃなかったが背に腹は変えられねぇ。
髪と身体を洗ってさっぱりと汗を流した後、湯船に浸かったまでは、よかったんだ。
同じ浴槽には、米倉や寺門、泉と三宅、そのほか多数の姿があった。
俺が米倉と話をしていると、遅れてやってきた眉村と目が合った。
ヤツは浴槽に入ってきて、ジッと俺を見ている。
まぁ、いつものことだったから俺は気にせず米倉と話をしていた。
しばらくすると、どうも太ももの辺りに違和感がある。
さわさわと撫でられて、ギョッとした。
横を見ると、相変わらずの無表情でジッと俺を見ている眉村がいて、この手の感触はアイツだってすぐにわかった。
だって、有り得ねぇだろ?
米倉が俺の腿を触るとは考えられないし・・・。
無視だ、無視!
そう思って俺は無視して話を続けていた。
すると・・・。
突然俺のブツを扱いてきやがった。
「・・・・っつ!!」
「・・・どうした?薬師寺??」
「な、なんでもねぇっ・・・・」
ゆるゆると刺激を与えられて、身体が強張る。
不思議そうな面をしている米倉に愛想笑いを浮かべてみたが、ぎゅっと握られるたびにやばいくらい声が出そうになった。
「オイ・・大丈夫か?・・・そろそろ、上がろうぜ。晩飯までゲームする約束だろ?」
「・・・わ、悪いっ・・・俺もう少し浸かっとくから・・ぁ・・・・先に上がっていいぞっ」
「そうか?・・じゃぁ、まってるからな。」
「あ・・あぁ・・・。」
こうして、米倉は上がっていった。だがそのときにまだ、同じ浴槽内には人が沢山入っていて、俺の鼓動はバクバクいっていた。
「てめッ・・・わざとだな!?」
「あんなに、仲よさそうに話すからだ。」
しれっという、眉村。一発殴ってやろうかと思ったら・・・タイミングの悪いことに今度は市原が近づいてきた。
・・・・くそっ、こんな状態じゃ上がるに上がれねぇ・・・。
そう思っていると市原と目が合った。
その瞬間。
やつの手はあろうことか俺の乳首を刺激しだした。
もちろん片手で握ったまま。
「あ・・・っ・・は・・・ぁ・・。」
「薬師寺?」
「な・・・ンでもネェッ・・・気にすんな・・ぁっ」
不思議そう細い糸目で俺を見る市原。
俺は、水面からヤツの手が触ってるのが見えるんじゃないかとハラハラしていた。
自然に呼吸が荒くなるのを誤魔化しつつ、眉村の手のひらを思いっきりつねってやる。
「いっ・・!?」
パッと手が離れた隙に、隅のほうに移動した。
だけどなぁ・・こんな状態じゃ・・上がれねぇんだよ。
タオルで隠すにしても・・限度ってもんがあるし・・やっぱ全員男だからわかるだろうし・・・。
火照った身体は風呂のせいだけじゃねぇ。
いつもなら、とっくに上がってるのに、やばい状況で俺は黙って湯船につかり誰もいなくなるのをひたすら待った。
そして、さっき・・・・やっと茂野と佐藤が出て行ったんだ。
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