眉薬 他
LoveSick
眉村が、風呂場の入り口で待っていると、先ほどの3人組が目に止まった。
3人は眉村の姿を見ると蜘蛛の子を蹴散らすように逃げていった。
(あいつらを・・・どう始末するかが問題だな・・・。)
うーんと、頭を悩ませていると、薬師寺がひょっこりと顔を覗かせた。
「・・・悪かったな。見張りなんかさせちまって」
「別に構わん。他でもないお前の頼みだからな・・・ソレより・・・あいつらどうする気だ?」
「・・・・・・・。俺、もう一人じゃ風呂に入るのやめる。・・・後はお前が・守ってくれるんだろ?」
それ以外のことはボチボチ考えればいいんじゃねぇか?
少し前を歩いていた薬師寺が振り向きざまに上目遣いで見つめてきて、眉村は思わず喉を鳴らした。
「歩ッ!!」
堪らず抱きしめようとしたが、するりと腕から逃げ出した。
「へっ・・バーカ!いい加減、学習しろよ。」
「・・・・・・・・。」
「部屋で、さっきの借りはちゃんと返すから・・・早く戻ろうぜ?」
はにかみながらそういう薬師寺の後を、眉村はゆるくため息をつきながら追いかけるのだった。
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