「ハァハァ・・・・今日はいつもより積極的だったな・・・。」
「〜〜〜〜っ」
面白そうに笑う声が聞こえる。
俺は恥ずかしすぎて何も言えないで居た。
自分でも、何故あんなに没頭したのか良くわからねぇ。
「・・・・なぁ・・・」
「ん? どうした・・・・?」
「俺・・・・産んでも・・・いいのか?」
俺の質問に、寝転がったまま携帯を弄っていた眉村が驚いた表情で顔を上げる。
「・・・・・・・・」
しばらくして再び携帯に視線を移し、小さく「当然だ」と呟いた。
「そっか・・・。」
そう・・・だよな。
俺たちの子・・・だもんな。
「あ! おい、コレ・・見てみろ!!」
凄く当たり前の事なのに、ホッとしている自分が居るのに気づき苦笑していると、眉村がいきなり声を上げた。
「なんだ・・・デカイ声出して・・・・。」
ずいっと差し出された携帯の画面に映し出されているのは、子供の名前辞典なるもの。
「で・・・・?」
「で? じゃ、ないだろう・・名前、決めないと・・・。」
「あのなぁ・・・いくらなんでも早すぎだ・・・アホ・・。 まだ男か女か、全然わかんねぇのに」
至って真面目な顔で言う眉村に、半ば呆れていると、やつは自信満々にこう言った。
「大丈夫だ! 生まれてくるのは男だ。」
「はぁ!? 何でそんなことわかるんだよ。」
「・・・・・ココに書いてあった。」
そう言いながら、ちゃっかりブクマしてあるもう一つのサイトを表示させる。
ヤツが指差す先にはこう、書かれていた。
『行為が激しいと男の子が生まれる。』
「・・・・・・・・・。」
さっきから・・・何を携帯持ち出して弄ってるかと思ったら・・・産み分けの迷信かよ・・・・。
既に親バカ予備軍に足をかけつつあるヤツを見て、この先どうなるのかとほんの少し不安になるのだった。
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