眉薬 他

LoveSick


「!?」

途端に離れてゆく気配。

今までではありえない行動に俺のほうが戸惑ってしまう。

「・・・・・眉村?」

そっと目を開けてみると、また目が合った。

「何を・・・隠している?」

「べ、別に・・・何も・・・。」

「嘘を吐くな。 どれだけ一緒に居ると思っているんだ。そのくらい態度でわかる。」

「・・・・・・っ」

いつに無く真面目な声色に自然と肩が震えた。

言ってもいいんだろうか?

俺が信じられないことをコイツは信じてくれるんだろうか?

一抹の不安が頭をよぎる。

眉村はジッと黙って俺が口を開くのを待っていた。

しばらく悩んだ後、俺は思い切って打ち明けてみることに

「・・・・・実は・・・・ガキが出来たみたい・・・なんだ・・。」

「何!? それは本当か!?」

案の定、信じられないと言った表情を見せる眉村。

そうだよな・・・信じられるわけねぇよ・・・・。

と、次の瞬間、俺の身体が突然宙に浮いた。

「そうか! でかしたな! もちろん俺の子なんだろ?」

「・・・・・・・・。」

今まで見たことがないほどの笑顔に、面食らっちまった。

強く抱きしめられて、アイツが喜んでるのがわかって、

俺は心のどこかでホッとしていた。

「なんだよ・・・そんな嬉しそうな顔して・・・。」

「嬉しいに決まってる。 俺とお前の子だぞ!? 奇跡が起きたとしか思えん 俺たちの愛が実ったんだな。」

コツンと額をくっつけられて、三度視線が絡む。


/ススム





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