眉薬 他
LoveSick
「おめでとうございます。」
「・・・・・は?」
俺の目の前にはニコニコと笑いながらカルテに記入をする割腹のいい初老の医者。
周りにも同じようにニコニコ笑いながら俺を見守っているナースたちが居て、思わず間の抜けた声が洩れた。
一体何がめでたいんだ?
何か新種の病気にでも罹ってたのか?(いや・・それじゃ全然めでたくないな・・。)
とにかく、医者やナースたちの態度の意味がわからずに、色んな疑問が浮かんでくる。
「あ・・あの・・・・。」
「現在3ヶ月になりますな。」
「は!?」
相変わらずニコニコと言われて、ますます俺はちんぷんかんぷんだった。
何が3ヶ月なんだ!?
俺の寿命か?
んなわけねぇよな。
俺が困惑しているのを悟ったのか、医者が1本のスティックを俺に見せた。
底にははっきり「+」の文字が浮かび上がっていた。
「これは?」
「妊娠検査薬だ。君の症状、そのほか諸々から考えて妊娠しているのは間違いないだろう。」
「は・・・はぁああああ!?」
目が無くなってしまうんじゃないかと言うほどの笑顔でサラリと言われ、瞬時にして俺の目の前は真っ暗になった。
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