06

開会式を終え、私服に着替えてスタジアムの受付に戻ってくる。

するとそこにダンデさんと、さっきのローズ委員長がいるのが見えた。

「3人とも! まずは開会式お疲れ様!」

「あれ、アニキ? 何でここにいるんだ?」

「それに、あなたはリーグ委員長のローズさん……っすよね?」

「やぁ! 君たちがチャンピオンに推薦されたトレーナーですね!
初めまして、私はローズと申します。お会いできて光栄ですよ」

ローズ委員長は簡単に自己紹介をすると、俺たちの手元に目を向ける。

その視線の先にあるのは、マグノリア博士から貰ったダイマックスバンドだ。

「ちょっと待って! 既にダイマックスバンドをお持ちなんだ!
良いねぇ、あなたたちは願い星に導かれたのですね!」

(そ、そうなのか……?)

委員長には悪いが、俺は自分が願い星に導かれたとは思ってない。

願い星が俺の元に落ちてきたのは、ホップとマサルのついでなんじゃないかって思ってるくらいなんだが……。

ちなみにこのダイマックスバンドを開発したのは、委員長の会社らしい。

ってことはリーグ委員長と会社の社長を兼任してるのか、この人。

「今年のジムチャレンジは特に楽しくなりそうだ。
素晴らしい! ガラル地方が盛り上がりますねぇ!
ジムチャレンジはダイマックスを披露するにも良いチャンスです。1年に1度のビッグイベント……ぜひとも楽しんでくださいね!」

そう言うと、ローズ委員長は急ぎの用事があるとかでエンジンスタジアムを後にした。

そんな後ろ姿を見送りながら、ダンデさんが"今日の委員長はご機嫌だな"と笑う。

俺たちに激励の言葉を掛け、ダンデさんもスタジアムを去っていった。

「マサル、ユウヤ、ついに始まったな!
ジムチャレンジはジムに挑める順番が決まってるんだ」

「へぇー。最初のジムはどこになるの?」

「最初のジムはターフタウン! ヤローさんに挑戦するなら、3番道路を越えて行くんだぞ!」

ヤローさんって、あの人か。確か"ファイティングファーマー"って紹介されてたな……。

あと草タイプの使い手だってことも。

草タイプが苦手なのは炎・飛行・氷・虫・毒……だったはず。

ってなると俺のメンバーで草タイプに有利なのは瑞貴だけになるのか。

(ターフタウンに着くまでに、作戦会議しないとなー……。
いや、その前にワイルドエリアでトレーニングするのもアリか?)

キテルグマには遭遇したくないので、ひとまずうららか草原に行ってみることにする。

スマホロトムで空飛ぶタクシーを呼び、俺たちはワイルドエリア駅に向かうのだった。


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