02
「すごいぞ! ここにいるトレーナー、全員がライバルか!」
エンジンスタジアムに入ると、そこにはたくさんのトレーナーが集っていた。
今まさにエントリーをしてるヤツや、もう済ませてユニフォームを着ているヤツ……。
老若男女、様々なトレーナーたちがこぞってエントリーしていた。
「緊張するけど、開会式楽しみだね。ガラルのジムリーダーたちも来るって話だし」
「へぇ、ジムリーダーも参加するのか」
「ほら2人とも、お喋りも良いけど今はエントリーだぞ!」
「今行くよ!」
3人で連れ立って受付に向かうと、ピンク色のロングコートを着たトレーナーがエントリーをしているところだった。
見たところ、ホップやマサルと同い年くらいか……。
やがてエントリーが終わったのか、こっちに向かって歩いてくる。ホップに軽くぶつかったのに謝るどころか、一瞥もすることなくスタジアムを出ていった。
な、なんか嫌なヤツだな……。
「ジムチャレンジへの参加でしたら、推薦状をお願いします」
受付のスタッフに声をかけられ、まずホップとマサルが推薦状を提出する。
スタッフは推薦人の名前を見て驚いたような顔をした。
「なんと……チャンピオンの推薦は初めてですね! しかも2人も!」
「俺たちだけじゃないぞ! ユウヤだってアニキが推薦したトレーナーなんだ」
「あ、うっす。エントリーお願いします」
ホップたちに倣い、俺もダンデさんから貰った推薦状を見せる。
するとスタッフは更に驚きを深くしていた。
「えぇっ! ダンデさんが3人も認めたんですか!?
あなたたち、一体何者です……?」
「俺はホップ! ダンデの弟で、未来のチャンピオンだぞ!」
「えっ、あ、はい。しばらくお待ちください」
カタカタカタ……というキーボードを叩く音が聞こえ、スタッフが俺たちに向き直る。
エントリーの完了と一緒に、推薦状も返された。
「それでは、お好きな3桁の番号を決めてください」
「番号?」
「はい、選んだ番号はユニフォームの背番号として使われますよ」
「じゃあ、俺は189にする! チャンピオンに向かって飛躍してみせるぞ!」
「僕は……自分の名前の036にします。ユウヤはどうする?」
「そうだな……じゃあ114にするっす」
最初は自分の誕生日を番号にしようかと思ったけど、個人情報を自分から公開してるようなもんだからボツ。
凪たちの図鑑番号を全部合計した数字を、背番号として使うことにした。それが114という数字だ。
「かしこまりました。
明日ここで開会式が開かれます。ユニフォームとチャレンジバンドも明日お渡ししますので、受け取りをお忘れなく。
あとジムチャレンジの参加者は、ホテル・スボミーインに宿泊できます。ホテルの受付も終わっておりますので、ホテルスタッフに申し出てください」
「はい、ありがとうございます!」
「よし、それじゃあさっそくスボミーインに行くぞ!
今日はもう休んで、明日に備えないとな!」
エンジンスタジアムを出て、隣のホテルに向かう。
ホテルのエントランスに、ソニアが立っているのが見えた。
[*prev] [next#]
TOP