01
ロゼリアの瑞貴が仲間になって、俺たちはエンジンシティに足を踏み入れた。
目的はもちろん、この街のスタジアムで行われる開会式に参加するためだ。
『わぁ〜、すっごくおっきい街!』
『いよいよジムチャレンジにエントリーだね』
『参加するトレーナーは必ず訪れる街だものね。
アタシとしてはカフェやブティックが気になるけど、それはまたの機会にするわ』
「あっ! おーい、ユウヤ!」
離れたところから聞こえてくる声に振り向くと、そこにはマサルの姿。
アイツも無事にワイルドエリアを通り抜けられたんだな。
「よぉ、マサル。お前も今着いたとこか?」
「うん、そんな感じ! ホップは先にスタジアムで待ってるって」
「ホップ、相変わらず行動早いよな」
アイツの前向きな姿勢とか、即断即決するところとかは見ていて気持ち良いから嫌いじゃない。
……っと、いけね。あんまり待たせると向こうから迎えに来るかもな。
「ユウヤ、僕たちも早く行こうよ!」
「そうだな。じゃあ一緒に行くか」
「うん! エンジンスタジアムにはあの昇降機に乗って行くんだって!」
マサルに手を引かれ、遠くの方に見えるでっかい昇降機に向かって歩いていく。
俺1人っ子だからよく分かんねぇけど、弟がいたらこんな感じなのか……なんて少し思ったのは秘密だ。
エンジンスタジアムは、昇降機を降りてすぐのところに建っていた。
マサルが言っていた通りホップが先に来ていて、俺たちに気付くと"こっちだぞ!"って手を振っていた。
「ユウヤもワイルドエリア通過できたんだな!
色んなポケモンがいてスゴかっただろ?」
「おぅ。キテルグマに追い掛けられた時は、流石に肝が冷えたけどな」
「えっ、キテルグマ!? よ、よく無事だったな……」
「まぁ別のポケモンが助けてくれたから、なんとか撒けた。ソイツも今度紹介するわ」
「ってことは、その子ユウヤのポケモンになったんだね。会うのが楽しみだなぁ」
「でもその前に、まずはエントリーだな! 受付に行くぞ!」
そう言って、ホップは相変わらず一目散に走っていった。
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