01
マグノリア博士の家に寝泊まりさせてもらった翌朝−−。
一宿一飯の恩義ということで、朝ご飯は俺が作らせてもらった。
つってもそんな大層なメニューじゃねぇけど、みんな"美味しい"って言ってくれたし及第点だろ。
その中で、マグノリア博士からダイマックスについて色々と話を聞いた。
ダイマックスはガラルでのみ確認されてる、ポケモンの巨大化現象。
願い星を埋め込んだダイマックスバンドから、モンスターボールに"ガラル粒子"を注ぎ込んで巨大化させるらしい。
中でも限られた種族の限られた個体だけ"キョダイマックス"ができて、その場合は姿も変わるらしい。
……が、情報量が多過ぎて訳分からん。
"俺のリザードンはキョダイマックスできるんだぜ!"って、ダンデさんはドヤg……誇らしげだったな。
んで身支度して出発の準備も終わって、凪と大和をボールに戻して今に至る。
「よーし! 俺たちの冒険が始まるぞ!」
「楽しみだね! どんなポケモンをゲットしようかなー?」
「あっ、そうだホップ。アンタ昨日"不思議なポケモンに会った"って、あれどういうこと?」
ソニアがホップに投げ掛けた疑問を聞いて、忘れかけていた"あの目"を思い出す。
なんとか気取られないようにしたものの体は正直で、小さく震えそうになるのを必死にこらえた。
「まどろみの森の霧の中で不思議なポケモンと戦ったんだけど、最後は気を失ってよく覚えてないんだよな……」
「何それ? ……ってユウヤ君、大丈夫?」
「へ……っ? あ……お、おぅ……大丈夫だ」
思い出しただけで身震いがするなんて情けねぇな、俺。
「な、何かごめんね? 嫌なこと思い出させちゃったっぽい?」
「よ……よーし、気を取り直して冒険の始まりだぞ! 目指すはエンジンシティ!」
気を使ってくれたらしいホップが、(やや強引に)話の路線を変えてくれる。
俺、今お前がすげぇ頼もしく見えるわ……。約束の煮卵おにぎり、2個作ってやろう。
「若き挑戦者たちよ、これをお持ちなさい」
マグノリア博士に白いリストバンドのようなものを渡される。
ホップとマサルが右の手首に着けてるのを見て、俺もそれに倣った。
「ダイマックスバンドだ! これで俺たちもダイマックスが使えるぞ!」
「そのバンドには、昨日あなたたちが見つけた願い星を埋め込んでいるわ。
それから、ホップ。はしゃぎたい気持ちは分かるけれど、まずは色々なポケモンたちと出会いなさい。
人もポケモンも、多くの出会いが自分を成長させてくれるのだから」
「エンジンシティに行くなら、駅から列車が出てるよ。
ポケモンをゲットしたいならワイルドエリアを通る手もアリだね」
「ワイルド、エリア……?」
また……知らない単語が出てきたな……。
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