03
単刀直入な結論として−−。
今回の勝負も俺とマサルの勝利で終わった。
とはいえホップも最初のバトルの時より強くなってたし、凪も限界まで体力を減らされてギリギリの勝利だ。
『……ハァ……ハァ……! なんとか、勝てた……?』
「お疲れさん、凪。苦手な草タイプ相手によく頑張ったな」
『やったー! 勝ったー!』
「ヒバニーもありがとう! 今日はもうゆっくり休んでね」
「負けたぁー! でもサルノリもウールーもよく頑張ったんだぞ!
こうやって経験を積んで強くなっていくんだな。やっぱり俺たち、良いライバルになれそうだぞ!」
お互いの健闘を称え合い、2人と順番に握手を交わす。
すると隣からパチパチという拍手の音が聞こえた。
「くっ……! なんてバトルを見せてくれるんだ!
チャンピオンの推薦状……渡すしかないな!」
そう言ってダンデさんがどこからともなく取り出した3通の封筒を、お礼を言って受け取る。
開けて中を見てみると、俺の名前と一緒にジムチャレンジへ推薦する旨の1文がしたためられていた。
その下にはダンデさん直筆の署名もある。
ガラル地方で最強のチャンピオン直々の推薦という事実に、緊張で少し身震いする。
でも俺1人で戦うんじゃない。凪や大和、これから仲間になるかもしれないポケモンも一緒だと思えば、緊張も少しだけ期待に変わった。
「やった! これで正式にジムチャレンジに挑戦できる!
なぁマサル、ユウヤ。鍛え合って、3人でチャンピオンを目指すぞ!」
「うん!」
「……え、俺も一緒にか?」
「だってユウヤは俺たちの友達でライバルなんだ。当然だろ?」
"さもありなん"とでも言いたそうな顔で、しれっと言ってのけるホップに唖然とする。
"嫌だ"って言ってる訳じゃない。俺のことを友達として接してくれる2人の気持ちも嬉しい。
でも俺は2人が切磋琢磨していくのを見守るポジションだと思ってたっつーか、なんつーか。
"俺は俺、2人は2人"って感じで、自分の中で勝手に線引きしちまってたのかな……。
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