02

マグノリア博士の家が目前になってきた頃、その玄関先に誰かが立っているのが見えた。

1人は先に来ていたらしいダンデさん。もう1人は杖をついた年配の女の人。

あの人がマグノリア博士……だよな? ソニアのお祖母さんなんだし、きっとそうだ……うん。

ふと、女の人と目が合う。俺たちに気付いたらしいその人は、ニコリと笑った。

「おやおや。ごめんなさいね、お客様に気付かないだなんて。
私はマグノリア。ようこそ、若きトレーナーたち」

「「こんにちは、マグノリア博士」」

「は、初めまして。俺、ユウヤって言います。
あの……ポケモン図鑑、ありがとうございました。博士からのプレゼントだって、お孫さんから聞いたっす」

「そう、ソニアに会ったのね。ご丁寧にありがとう。
その図鑑があなたの冒険に役立ったら嬉しいわ」

"ひとまず家にお入りなさい"と促され、俺たちはマグノリア博士の家にお邪魔することになった。



マグノリア博士から美味しい紅茶をご馳走してもらって、ゆったりとしたティータイムを過ごす。

するとおもむろに、ダンデさんが俺を呼んだ。

「そうだ。ユウヤ君、君は"ダイマックス"を知っているかい?」

「だ、ダイマックス……?」

初めて耳にするその単語に、思わず首を傾げる。

もしかして、最近増えた要素だったりするのか?

「ダイマックスはガラル地方でのみ確認されている現象で、パワースポットのある場所でダイマックスするとポケモンが巨大化するんだ」

「えっ、そんなのあるんすか!?」

やっぱ最近増えた要素だった! ポケモンが巨大化するって、そんなんアリなのか?

「そしてマグノリア博士は、そのダイマックスを研究なさっているんだよ。
使いこなすためには知識も必要だからね」

「ダンデったらどんな時でもポケモンのことばかりね。
色んな紅茶があることを知っているのも大事ですよ」

マグノリア博士が苦笑いを浮かべながらそう言うのを見て、俺も少しは紅茶とか飲んだ方が良いのかと思ってしまう。

なんか紅茶にこだわりがある国民(?)性って聞くと、元の世界の某紳士の国を想像しねぇ? 俺だけか?

「そうだ、マグノリア博士。博士からもアニキに頼んでよ。
"ジムチャレンジに推薦しろ"って」

ホップの言葉を聞いたマグノリア博士は一言"ふむ……"と零すと、その視線をついとダンデさんに向けた。

「そうね。ダンデ、どうして推薦しないのかしら?」

「彼らはまだポケモンと出会ったばかりの未熟なトレーナーなんですよ」

「おやおや。あなたの願いは"ガラルのみんなが"強いトレーナーになることよね?」

「あっ、そういえばそうでしたね……!
大事なことを忘れていたぜ。だからポケモンを託したのだった。
よし! 3人とも俺が推薦せざるを得ない素晴らしいバトルを見せるんだ!
前回と同じバトル方式にしよう」

「てことは、マサルとユウヤのペアVS俺だな! 今回は負けないぞ!」

一目散に外へと駆け出したホップを追って、俺とマサルも玄関へと向かった。


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