01
仲間になったばかりの大和をマサルたちに紹介して、2番道路を歩く。
しばらく歩いていると前方に1軒の家が見えてくる。ホップが"あそこがマグノリア博士の家だぞ!"と教えてくれた。
「そういやぁ2人とも、マグノリア博士に用事ができたっつってたけど……何しに行くんだ?」
「おいおい、ユウヤも他人事じゃないんだぞ!
ポケモントレーナーなら、ジムチャレンジに参加するだろ?」
「ジムチャレンジ?」
こっちに来てから何かしら聞いた気がするけど、どこだったっけか?
「ジムチャレンジは1年に1度、チャンピオンへの挑戦権を賭けて戦う大会なんだ。
本来なら、参加するにはリーグ関係者から貰える"推薦状"が必要なんだけど……」
リーグ関係者……ジムリーダーとか、四天王とか、それこそチャンピオンとかか?
どの人もビッグネームというか有名人だし、そんな簡単にお近付きになれるとも思えねぇんだけど……。ダンデさんが例外なだけで。
「アニキはまだ認めてくれない……だから博士に相談しに行くんだ。
ユウヤも参加してくれよ! お互いのライバルになれば、俺たち3人強くなれる!」
ホップってジムチャレンジのことになると熱くなるっていうか、人一倍やる気になるよな。やっぱダンデさんの影響があんのかな……。
身内が……しかも血を分けた兄貴がチャンピオンなんて、弟のホップからしたら憧れの人なんだろうし。
「そういうユウヤは、マグノリア博士にどんな用事だったの?」
「ポケモン図鑑のお礼を言いに行こうと思ってさ。
ソニアが"お祖母様からのプレゼントだ"っつってたし」
「それはもちろん、俺たちもお礼言うぞ!
けど、いつの間にソニアとそんなに仲良くなったんだ?」
「あー……"堅苦しいのは苦手だから、友達感覚で接してくれ"って言われたんだよな」
「あっ、そうだ! あのライスボールすっごく美味しかったよ、ユウヤ!」
「? ライスボールって何のことだ?」
「ユウヤが1つ作ってくれたんだ。
お醤油を混ぜたご飯で、真ん中に半熟トロットロの卵が入ってたんだよ!」
「なっ……何だそれ!? めちゃくちゃ美味そう!
俺も食べたかったぞ!」
「分かった、分かった! 今度会った時に材料があったら作ってやるよ」
"絶対だぞ!"と食い気味にそう言うホップに、思わず苦笑いを零す。
こりゃあ定期的に材料買い揃えねぇとな……。
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