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朝食のお片付けを済ませ、セルクルタウンへ繰り出した私たち。

今日はお祭り当日ということもあって、町へ到着した日よりも多くの人で賑わっていた。

この町の収穫祭は歴史が古いらしく、パルデア地方が"パルデア帝国"と呼ばれていた頃から続いている祭典なのだと優慈おじ様が教えてくださった。

「すごーい、人がいっぱい!」

「あぁ。さすが町のメインイベントというだけはある」

『陽斗が埋もれてはぐれそうな気がするんだけど、大丈夫?』

「それもそうね……。陽斗、抱えてあげた方が良いかしら?」

『い、いえ! 大丈夫です!
マスターのお手を煩わせる訳にはいきませんので!』

「そ、そう……?」

陽斗が慌てたように両手を顔の前でブンブンと振る。

とはいえ本当にはぐれてしまったら大変なので、妥協案として佑真が肩車することになった。

「さぁ、着いたよ。僕は露店の準備に入るから、君たちは会場を見て回ってくると良い」

「えっ、ですがお店の準備も大変なのでは?
ここのところお世話になってばかりですし、私たちにもお手伝いさせてくださいな」

「大丈夫だよ。準備と言っても商品を並べるだけだから。
それにお祭りが終わったら、君はジムリーダーに挑戦するんだろう? 予約を入れるなら早い方が良い」

小さくウインクをしながら、優慈おじ様は"ね?"と微笑む。

確かにセルクルジムは最初に挑戦するジムとして選ばれやすいと、ネモから聞いている。

チャンピオンクラスを目指す他の学生たちが殺到する可能性を考えれば、今は絶好のチャンスなのかもしれない。

「……分かりました。ではお言葉に甘えさせていただきますわ」

"うん、行ってらっしゃい"という優慈おじ様の言葉に見送られ、私たちはジムリーダーのカエデさんを探しに行った。


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