04
「着いたー! ここがアカデミーのエントランスだよ!」
アカデミーの正門を通り、建物に入る。
そこにはたくさんの本棚が設置されたエントランスホールが広がっていた。
「ここがグレープアカデミー……。今日からここで学んでいくのですね」
「楽しみだねー!
……ここポケモンバトルできそうなくらい広いのに、エントランスでのバトルは校則で禁止なんだ」
(そ、そうでしょうねとしか言えないわ……)
ネモのポケモンバトル好きは筋金入りのようだ。
そんな彼女に苦笑いを零していると、クラベル先生が声を掛けてきた。
「シオンさん、初めての登校はいかがでしたか?」
「大変な場面もありましたが、とても楽しかったですわ」
「おやおや、大冒険だったのですね?
ネモさん、ご案内ありがとうございます」
「友達だから当然ですよ!」
そういえばとスター団のことを話題に出したネモに、クラベル先生は酷く食い付いた。
教師の立場としては更生して貰いたいだろうから、至極当然の反応だとは思うけれど。
ポケモンバトルで追い払ったとネモが話すと、"入学早々、ワイルドは程々に"と釘を刺されてしまった。
「イーブイのバッグというと、ボタンさんでしょうか?
学校にいらしてくれたようで何より」
あの眼鏡の学生はボタンさんというらしい。
名前の雰囲気からして、女の子かしら?
「……おっと、始業時間が近付いていますね。
ネモさんは一応、スター団のことをジニア先生に報告をお願いします。
シオンさんは私と一緒に職員室へ来てください」
ネモとエントランスで別れ、クラベル先生と職員室へ向かう。
出迎えてくれた先生方は快く私を迎え入れてくれ、密かに安堵した。
少し個性の強い方もいるけれど、良い方々ばかりだ。
(パルデア……。ここでなら、私は私らしくいられるかしら?)
初めての友人・ネモに素敵な先生方。そして若葉・ミライドンを筆頭とする、ポケモンたちとの出会い。
これから訪れる新たな学生生活に、私は自然と胸を躍らせるのだった。
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