05
「ふぅ、危機一髪だったね!」
何とかヘルガーたちを撒いた後、当初の目的地だった灯台の近くで息を整える。
ほ、本当に死ぬかと思った……。ミライドンが助けてくれなければどうなっていたのだろう。
『あの灯台……やっと着いた!
……っ、ぅ……!』
灯台へ向かって進もうとしたミライドンが、突然倒れ込む。
姿もサンドウィッチをあげる前の姿に戻ってしまっていた。
「わっ、大丈夫!?」
力無くグッタリしているミライドンに慌てて駆け寄る。
ヘルガーとのバトルで力を使い果たしてしまったのだろうか?
「何だろ、このポケモン……?
モトトカゲってポケモンに似てるけど、こんな姿見たことない」
「モトトカゲ?」
私が首を傾げたのを見て、ネモがモトトカゲの図鑑ページを見せてくれた。
……確かに、どことなく似ているような気がする。
「それより、本当に無事で良かった!
ヘルガー相手に謎ポケモンとも息ピッタリだったじゃん!」
「そ、その……。私、足がすくんでしまって何もできなくて……。
とても指示を出せるような状況では……」
「えっ、この子に指示出してなかったの!?
じゃあ、まだシオンのポケモンになった訳じゃ無いんだ」
「えぇ。……助けてくれてありがとう」
ミライドンの頭をそっと撫でてあげると、パチリと目を開けて立ち上がった。
良かった。ちょっと元気が出たみたい。
「くぅ〜っ! 見れば見るほど不思議なポケモンだなぁ!
シオンのポケモンになったら絶対バトルさせてね!」
「ま、まだ私のポケモンになると決まった訳では……!」
クラベル先生が、"ネモさんはポケモンバトルが好き過ぎますね"とボヤいていたけれど……。
今はあの時の彼の気持ちが少し分かる気がした。
[*prev] [next#]
TOP