02
ジニアさんに教えてもらった、ネモさんの家へ続く道を歩く。
トコトコと元気良くついてくる3匹のポケモンを観察しながら、どの子にしようか考えていた。
「草タイプのニャオハに、炎タイプのホゲータ。そして、水タイプのクワッス……」
『『『なぁにー/何でしょう?』』』
「……えっ」
い、今あの子たち……喋った?
『どうしたの? 僕たちのこと呼んだんじゃないの?』
『お腹空いたのー? オイラと一緒だー』
『ホゲータ、それは君だけだと思いますよ』
「……あなたたち、人間の言葉が話せるの?」
私のその言葉に、今度はニャオハたちが首を傾げる。
『? 僕たち、人間の言葉なんて話せないよ?』
「えっ、でも……さっきあなたたち、なぁにーって返事したでしょう?」
『呼ばれれば返事をするのは当然のことです。クラベル校長にもそう教わりました』
『オイラ難しいことは分かんなーい』
この子たちは……というか、ポケモンは人間の言葉を話すことはできないらしい。
それなら何故、私と彼らは会話が通じているのだろう? こっちの世界ではこれが普通なのだろうか?
『何か元気無さそうだね。それならこうだ! えいっ!』
ニャオハは私の肩に跳び乗ると、前足の肉球を頬に押し付けてくる。
それと同時に、フワリとアロマのような香りが広がった。
華やかでありながら爽やかさもあるその香りは、不安を抱えている心を軽くしてくれた。
「良い香り……」
『元気出た?』
「えぇ。ありがとう、ニャオハ」
彼の頭を優しく撫でてあげると、彼は嬉しそうに笑う。
するとホゲータとクワッスが、足元でピョコピョコと跳ねた。
『あっ、ニャオハだけズルーい! オイラも、オイラもー!』
『ぼ、僕の羽毛も撫で心地は抜群かと!』
ホゲータとクワッスの頭も順番に撫でてあげる。
……ここで考えていても仕方ない。
今はとにかくネモさんの家に行って、クラベルさんに聞いてみよう。
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