02



「ご馳走様でした」
「んー、美味かったな!」
「まんぷく〜」
「流石にバトルは挑めなかったか……ちっ」
「舌打ちしない。……デザートのアイスが一番美味しかったな」
「碧雅はいつもアイスが一番でしょ」


ある日、ふとしたきっかけで知り合うことになったユイとその仲間たち。……ユイ本人は友達だと言ってるみたいだけど、私としては見知らぬポケモンと知り合えたことのほうが収穫だった。

ユイが偶然持っていたサンヨウレストランの食事券を1枚分けてくれて、食事を共にすることなった。レストランを後にし各々が食事の感想を話し合う。彼女の手持ちの一匹かつ、紫闇と同じ色違いの個体の璃珀がこちらの様子を伺いに来た。


「ハルさんはどうだった?結構人が多かったから疲れたんじゃないかい」
「……人は多かったけど、料理は美味しかったよ」
「それはそれは。紫闇くんの分もテイクアウトできたから、落ち着いた時にでも食べたらどうかな」


紫闇はレストランのあまりの人混みようにウンザリしていたようで、ボールから一度も出ることなく食事が終わってしまったのだ。紫闇の入っているボールが小さく揺れた。


『……お前たちは随分とお人好しだな』
「そうかな?ならきっとご主人の人柄がそうさせてるのかもしれないね」
『……ちっ』
「わらわはユイが好きじゃぞ!手持ちが全て男なのだけが難点なのじゃが……」


翠姫は相変わらずそこが気になるみたい。まあ、あの子の経緯を知れば無理もないけど。そこは璃珀も理解してるみたいで、必要最小限の関わりに留めてくれている。


「貴様ら男とは本来近づきたくもなく、ハルに近寄ることも許し難いのじゃが……ユイの手持ち故、ハルも認めておるが故、手を出さぬのじゃ。有難く思うが良い水大蛇!」
「あはは、晶くんとはまた違ったセンスをお持ちだね」
「ぐぬぬ……全く意に介さぬところがまた気に食わぬ!」
「翠姫、落ち着いてね」


ヒートアップしてくる翠姫を宥め、璃珀からテイクアウトの品を受け取る。今回こうして新たなポケモンとの出会いができたのも、普段は行けないレストランで食事の機会が取れたのも、微妙に認めたくないけどユイのおかげではある。一応お礼くらいはと声をかけようとしたところで、前方を歩いていた彼女たちが止まっていることに気づいた。



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