02


「下らん。僕はそんなものに興味は無い」


やっぱり。PCの部屋で寛いでる中話を振ったけど予想通り。つーんとしている晶の前に回り込み、下から見上げる。


「えー?お菓子食べれるよー?」
「甘味はそこまで好きじゃない」
「色んな格好ができるよー?」
「普段の格好で十分だ」
「強そうなポケモンに会えるかもよー?」
「…………やめておく」


今の間、ちょっと考えたな。やり取りを見ていた璃珀が見かねて「まあまあ」と言いながらこちらに来る。


「必ず外に出なければ行けない訳じゃないんだから、ボールの中で参加すれば良いんじゃないかい?気になったものがあったらご主人に伝えれば良いと思うし」
「…………それなら善処しよう」
「なんとも言えない返答」


まあいいか、一応来てくれるみたいだし。緋翠が部屋の窓から外の景色を眺め何かを探しているように下を注視していた。


「それよりも碧雅の帰りが遅いですね。何かあったんでしょうか?」
「ここのPCは前にも泊まったことがあるから、道に迷ってることは無いと思うけど……」
「碧雅に限ってそれはねぇだろー」
「確かに」
「今日は人が多いから、どこかで休憩してるんじゃないかい?」
「ああ、さっきも人酔いすると言ってたしな」
「……みゃーちゃんね、もうここにもどってくるよ?」


へ?


白恵の言葉通り、ドアがガチャと音を立てて開き、まさに話をしていた碧雅本人が戻ってきた。


「……疲れた」
「おかえー……り……?」


入ってきたのは確かに碧雅なんだけど、何その格好?しかもやつれた様子だし。


「へぇ、碧雅くんは意外に乗り気だったんだね」
「この顔のどこがそう見えるわけ?」
「なんだその格好は。さっきのちびっ子どもが被っていた物と似ているが」
「急に捕まって着替えてこいって押し付けられた」
「魔法使い碧雅じゃん!……プッ、」
「紅眞、後で覚えときな。はい、ユイにあげる」
「ぶっ」


被っていた紺色の魔法使いの帽子を私の顔面目掛けて被せてきた。もしかして、お婆さんが話していたコンテスト衣装の貸し出しなのかな。でも、誰に押し付けられたんだろう?興味本位で聞いてみると思い出したくないのか顔を顰め、ボソリと「ジムリーダー」と呟いた。


「ここの街のジムリーダーに声かけられて、気づいたらこの衣装を着るように話が進んでた」
「メリッサさんかー……」
「確かにあのジムリーダー、こういう行事好きそうだな」
「専門タイプがゴーストだからね、ハロウィンにはうってつけだと思うし」


確かに。ハロウィンといえば浮かぶのはカボチャやお化けだったりするもんね。メリッサさんなら嬉々としてこういうイベントに参加しそう。紅眞が璃珀の言葉でメリッサさんがゴーストタイプのエキスパートだと思い出したらしく若干ビビってるけど、そんなに怯えなくても大丈夫だと思うけどなぁ。


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