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『………………まあまあだった』
「はい?」
『お前たちの強さ、まあまあだったと言っている!
僕の技を正面切って受けた防御力、咄嗟の判断で当てた攻撃、威力も悪くない。
今回は時間切れで相性の問題もあったが次はこうは行かない。精々怯えているんだな!』
「…………あ、ありがとう?」
『フン。……仲間を大事にしろよ』
最後に呟いた言葉は聞こえなかったけど、晶君はそのままみんなの元へ戻ってしまった。
憎まれ口ばっかだったけど、あれは一応褒めてくれたのかな?
ユイはというと、晶君を見てクスクス笑っている。
「晶は素直じゃないから。本当はとってもいいバトルで楽しかったって思ってると思うよ」
『僕はそんな事言ってないちんちくりん!』
「地獄耳かな?」
相当距離離れてるけど?
すると私たちの会話を聞いていたのか白刃が怒りの形相でこっちに来た。
「あの男、また……! 姫、次は私をお使いください。
必ずやあのチルタリスを下し、あなたに勝利を……──」
「いや、大丈夫だよ白刃。晶君は“ツンデレ”なだけだから、真に受けちゃダメだって!」
「は、はぁ……?」
楽しそうな顔になった私を見て、白刃も毒気が抜かれたような顔をしていた。
「姫がよろしいのなら……」と白刃も一応納得してくれたみたいだし、一件落着?
「さぁご主人たち。そろそろ行かないと予約の時間に遅れちゃうよ?」
「ホントだ! 急ご、みんな!」
みんなをボールに戻し、お店へ駆け込む私たち。
スイーツビュッフェで甘く楽しいひと時を堪能し、また一つ、思い出のアルバムが出来上がったのだった。
「おい雪うさぎ、一つ尋ねたい」
「なに?」
「……“つんでれ”とはなんなんだ?」
「……はぁ?」
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