13
「緋翠、いやしの……」
(嘘、回復技?)
やばい。と思った矢先、璃珀さんのストップの掛け声がかかる。
……あ、そうだった。今回は時間制限ありなんだった。
「今回は引き分けだね。お疲れ様、2人とも」
「ヒ、ヒヤヒヤしたー!」
「晶大丈夫? 凍らなくて良かったね。緋翠、いやしのはどうお願い」
『かしこまりました』
『しんぴのまもりを放っといて良かったな……っ……』
『楽しかったー! ね、蒼真!』
『うん……でも、疲れた……』
「はい、2人ともこちらをどうぞ」
『なにこれ? お水?』
「いのちのしずくという水です。これを飲むと体力が回復しますよ」
「みんな、がんばった。よしよし」
『ありがとうオッドアイ君……じゃなくて、白恵!』
「なーんか俺もバトルしてるの見てたら身体動かしたくなっちまったなー。碧雅、後でやろうぜー」
「やだ」
「即答じゃん碧雅。紅眞、俺で良ければ後で一緒にやろうか?」
「お! いいのか龍矢! サンキュー!」
「お前らな、この後予定があるんだよ。終わってからにしろ」
みんながガヤガヤとそれぞれ話を始めている。
ユイと私は互いの健闘を称え握手し合って、体力を回復させた蒼真たちも向かい合っている。
『楽しかった! 今日はありがとう!』
『また……やろ……』
『はい、勿論。こちらもありがとうございました』
『……おい、平民女』
「ちょ、何そのあだ名……」
「私?」
なんだろうと首を傾げると、晶君は私と視線を合わせることは無かったけど、一言呟いた。
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