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「緋翠、いやしの……」

(嘘、回復技?)

やばい。と思った矢先、璃珀さんのストップの掛け声がかかる。

……あ、そうだった。今回は時間制限ありなんだった。

「今回は引き分けだね。お疲れ様、2人とも」

「ヒ、ヒヤヒヤしたー!」

「晶大丈夫? 凍らなくて良かったね。緋翠、いやしのはどうお願い」

『かしこまりました』

『しんぴのまもりを放っといて良かったな……っ……』

『楽しかったー! ね、蒼真!』

『うん……でも、疲れた……』

「はい、2人ともこちらをどうぞ」

『なにこれ? お水?』

「いのちのしずくという水です。これを飲むと体力が回復しますよ」

「みんな、がんばった。よしよし」

『ありがとうオッドアイ君……じゃなくて、白恵!』

「なーんか俺もバトルしてるの見てたら身体動かしたくなっちまったなー。碧雅、後でやろうぜー」

「やだ」

「即答じゃん碧雅。紅眞、俺で良ければ後で一緒にやろうか?」

「お! いいのか龍矢! サンキュー!」

「お前らな、この後予定があるんだよ。終わってからにしろ」

みんながガヤガヤとそれぞれ話を始めている。

ユイと私は互いの健闘を称え握手し合って、体力を回復させた蒼真たちも向かい合っている。

『楽しかった! 今日はありがとう!』

『また……やろ……』

『はい、勿論。こちらもありがとうございました』

『……おい、平民女』

「ちょ、何そのあだ名……」

「私?」

なんだろうと首を傾げると、晶君は私と視線を合わせることは無かったけど、一言呟いた。


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