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次にユイが緋翠君に得意のひかりのかべを指示し、特殊技に耐性ができた。
蒼真と悠冬、どっちも特殊技を使うからね。ならこっちは、蒼真のリフレクター……と思ったけど、
「悠冬、げんしのちから!」
『!? 分かった!』
フィールドから出てきた浮き上がる岩が2人を襲う。
げんしのちからは確率は低いけど、全部の能力を上昇させる効果がある。
今戦ってるメンバーの中で悠冬だけがまだ無進化。いくら相性は良いと言っても、種族値には大きな差がある。
相性だけで勝てるほどポケモンバトルは甘くない。賭けではあったけど今回は無事に、低い確率を引き当てたようだ。
『凄い! 力がみなぎるのを感じるよ!』
「よし、狙い通り!」
「……うん、緋翠」
ユイは緋翠君に離れるよう指示を出し、晶君が空に羽ばたいた。空気を思い切り吸い込み、ユイが耳を塞いだ。
「ハイパーボイス!」
『────!!』
覇音の衝撃波が岩を砕き、蒼真たちに襲いかかる。
1割の確率を引いて能力が上がった悠冬のじならしで大地を揺らし、音の衝撃波をかき消した。
直撃は免れても、最初に受けてしまった音は耳に残る。大音量のハイパーボイスで一瞬怯んだその隙を晶君は見逃さなかった。
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