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「蒼真、サイコキネシス!」
「こっちもサイコキネシス!」
2つのサイコキネシスがぶつかり合う。念力の衝撃波がフィールドをねじ曲げ、立っているこっちもフラフラしそうだ。
続けて晶君の柔らかなチルタリスの翼が自分を包み込み、不思議な光が2匹を包む。しんぴのまもりだ。
「攻めてくよ悠冬、晶君にれいとうビーム!」
『いっけー!』
しんぴのまもりを発動中に4倍弱点を狙う。当たればかなりのダメージになるはずだ。
でも現実はゲームとは違い、一筋縄では行かない。
「りゅうのまいで避けて!」
りゅうのまいでスピードの上がった晶君がサイコキネシスのせめぎ合いをしてる蒼真の背後へ。
まずい! タイミング良く緋翠君が技を解き、蒼真が一瞬よろめいた。
「蒼真、10万ボルト!」
『わかった』
『……ちっ』
危ない、ギリギリセーフ。10万ボルトを自分を中心に放つことで攻撃を避けることに成功した。その余波で緋翠君が電撃を喰らったみたい。
「ニャオニクスって10万ボルト覚えるんだなー」
「加えて“ねこのて”でランダム性があるけど色んなタイプの技を使える可能性がある。案外ダークホースかもね」
「くっ。俺もバトルに出て、姫の雪辱を晴らしたかった……! 申し訳ありません、姫」
「それを気にしてるの、お前だけだぞ」
「チルタリスってことは、俺とタイプ一緒かー。なんか親近感湧く感じ」
「あら、白恵。あなた何をなさっているのですか?」
「これ、あとであげて。みんなのげんきになる」
「いのちのしずく……。ありがとう、優しいのですね」
「白恵だけずるーい。ねぇ雅ちゃん、俺も撫でてー?」
「お前はこういう場でも遠慮しねぇな!」
あはは……。向こうもなんだかんだ話が弾んでるね。
「緋翠大丈夫?」
『直撃では無いので問題ありません。……成程、多彩な技を覚えていらっしゃいますね』
『ニャオニクスは僕が叩こう。お前はアマルスを』
こく、と緋翠君が頷く。なんだかんだ2人ともまとまってるんだな。
『どうする……?』
『僕の攻撃が当てられればなー……』
「大丈夫。必ずチャンスは巡ってくるから」
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