05
気づけばもう残っているのはユイとレイナたちを除いて2、3組くらいしかいない。
周りも少し暗くなっている。
「あれ、もうこんな時間だ」
「そろそろ片付けるか」
「りょうかーい!」
「そうですね……」
「あ、なら私たちも手伝うよ!」
みんなでシートを片付けたり弁当を片付けたりする。
花見を始めた時は準備にちょっと時間がかかったが、片付けは準備の半分くらいの時間で終わった。
レイナたちが手伝ってくれたから、だ。
「あ〜楽しかった!」
「うんうん! またしたいよね〜」
「蒼陽の弁当、美味しかったよ!」
「ふふっ。喜んでくれたなら良かったです」
ニコニコと笑い合う來夢と笑理。
同じくニコニコと笑いながら蒼陽に弁当の感想を言う焔を、蒼陽は柔らかい笑顔で見ている。
その様子はさながら兄弟のようだ。
「俺らも楽しかったしな!」
「ああ。今度会ったらまたしよう」
ドラゴンタイプ同士、息が合うらしい竜牙と誠士。
そしてそんなみんなを笑顔で見守る幸夜。
とても落ち着くこの空気がユイは好きだ。
まだ一緒にいたいと思っていても泊まっている場所も違えばユイたちにはユイたちの、レイナたちにはレイナたちの旅がある。
「じゃあ、またねレイナちゃん!
また何処かで会ったら、今度はショッピングとか行きたいな」
「うん、楽しみにしてるね。
ユイちゃんは怪我しないように頑張ってね」
「ふふん、大丈夫。怪我なんてしないよ!」
「そんなことを言ってる人こそ怪我しやすいんだよ? 気をつけてね」
「うん! じゃあ、また今度!」
「また会おうね!」
その会話を合図にみんなはそれぞれ言葉を掛け合い、別の道へ歩いていく。
また何処かで会えたら、またお花見とかもしたいな。
別れたばかりだというのにみんなは同じことを思っていただろう。
ユイは今日、番号の増えたポケギアをギュッと握った。
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