07
あの子たちか。私が気づいたと同時にユイが2匹を呼んだ。
「晶、白恵ー!こっちこっち!」
(……ん?)
今、聞き覚えのある名前が耳を過ぎったんだけど。
こっちに近づいてくる2匹の内、チルタリスが私の姿を見ると驚いたように身じろいだ。
『な゙っ』
(この声、どっかで……)
聞いた事がある。記憶のタンスを開け、ここ最近の記憶を振り返った。
……あっ、もしかして!?
合点がいった私と、引きつった顔をしたチルタリス君。
そしてボーッと私を見つめているトゲピー君に、何も気づいてないユイ。
ユイがニコニコと紹介を始めた。
「まずはこっちの子からね。ドラゴン・ひこうタイプのチルタリスで、名前は晶」
(晶……だから“あっちゃん”)
『おいちんちくりん。これは一体どういうことなんだ』
(そして“ちんちくりん”って、ユイの事だったの!?)
衝撃的な事実が明かされた気がする。
晶君の問に対してユイは「だからこの前言ったじゃん、友達と会うよって。オンバットの龍矢君に会ってみたかったんでしょ?」と晶君が地味に焦ってるのに気づく素振りは無い。
「で、こっちの白いトゲトゲの子がフェアリータイプのトゲピーで、名前は白恵。
よかったら仲良くしてね!」
「やっぱりこの前の電話の子だ!」
「え、何それ?」
『またあえたね、おねえちゃん』
『この女、人間だったのか……』
まさか2人ともユイの手持ちだったなんて! 世間って狭い。
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