04


白刃を見つめながらあっちゃんさんがごもっともな質問をする。

まぁ初めて私たちに会う人が“姫”って呼ばれてるのを聞くと、不思議に思うのは無理もないよね。

白刃は何故か誇らしげに私の前に立ち、私に手を添えた。

「見て分からないのか、姫と言えばこちらにいらっしゃるフユカ様に決まっているだろう!」

「恥ずかしいからやめて!」

《はぁ?》

あっちゃんさんはしばらく私の顔をじーっと見て、一言。

《平民の間違いじゃないのか》

「姫にそのような口を叩くな無礼者!」

「フユカは世界で一番可愛いお姫様に決まってるでしょ!」

「白刃、敵意丸出しにしないの!」

そう言うと白刃は納得いかなそうだったけど渋々引き下がった。

あと水姉さんも何言っちゃってるの!? 元々私姫って柄じゃないし、一般人だし!

あっちゃんさんは《なんだこの勢いは。この女の狂信者か……?》と引き気味だ。ごめんなさい。

そういえば結局、この人たち誰? なんだかんだ話は進むけど一向に何も分かってないような?

そう思った矢先、あっちゃんさんがなにかに反応するように部屋の壁、というよりドアを見つめた。

《……ちんちくりんが来るな。おいマメ助、早く引き上げるぞ》

《あ、えっと、》

「……切れちゃった」

突然やって来て、突然消えちゃった。

最後に言っていた“ちんちくりん”って誰?

いや本当に、あの白い男の子が白恵って名前だって事くらいしかハッキリしたことが分からなかった。


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