03
《……おい、誰が女だと言った貴様ら》
「「え」」
低い声で私たちを睨みつけるあっちゃんさん。お、男の人なの?!
そう聞けばあっちゃんさんは溜息をつき、《何故赤の他人にまで……》とボヤいていた。なんかすみません。
龍矢も見抜けなかったことにショックを受けてる。
「俺とした事が、一度ならず二度までも……!」
いや、それ以前に見境なく声をかけるのをやめようか?
心の中でツッコミを入れていると、ドアが小さくコンコンと鳴る。
「姫、失礼致します。夕食の席に中々いらっしゃらないのでお迎えに上がりました」
「皆様集まって何をしていらっしゃるのですか?」
今度は白刃に雅がやって来た。段々この部屋の人口密度が高くなってきてないかな!?
《なんだ貴様らはゾロゾロと増えていって……まるでディグダの群れのようだな》
《いっぱいだね〜》
「そういえばあっちゃんさん、白恵君を探してたんじゃないんですか?」
《誰があっちゃんさんだ!》
最早反射と言わんばかりのスピードで、ビシッと私に指をさす。
……この人、ツッコミが様になってるな。
あっちゃんさんはハッと我に返ったようにこほんと咳払いして、白恵君の首根っこを襟越しに掴んだ。
《経緯は分からんが、こいつが迷惑をかけたことは理解した。その点は謝罪しよう》
《あっちゃん、なにかわるいことしちゃったの?》
《今回はお前だぞ》
「やっぱり間違い電話だったんだね。でもなんでここにかけてきたんだろ?」
《こいつの考えてることは正直僕たちも分からん。
……それより一つ気になる事があるのだが、その男の言った“姫”とは誰のことだ?》
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