04


「焔君もゴウカザルに進化したんだね」
「そ! 相変わらずの食欲だけどね」


甘酒を嗜み、私たちも旅でのあれこれを話しながら食事と桜を堪能する。……その間も晶君は一人離れたところで桜を見上げるのみで、ユイが声をかけても「気が向いたら行く」の一点張りだった。妙に私たち……いや、私に対して距離を置かれている気がする。やっぱり最初の印象が悪かったのかなと悔やんでいると、ユイが晶君の事情を掻い摘んで話してくれた。


「そうだったんだ……。捨てられた、ってところは幸矢と一緒だね」
「え、そうだったの?」
「うん。晶君のことは分かった。私も少しずつ馴染んで貰えるように頑張るね」
「ありがとう。……ごめんね、本当は優しい子なんだけど」
「それだけ心の傷が深いってことだね」


私の方にも人間の被害に遭った子はいるからね。さっきも言った幸矢に、誠士。2人なら晶君とも話を通じて仲良くなれるんじゃないかな。
と思っていた矢先、一人が気になっていたのか晶君の元へ向かう誠士と幸矢。


「アンタ、こんな所に一人でつまらなくないか」
「良ければこっちで共に食事でもどうだろう。私は誠士、種族はガブリアスだ」
「…………! そうか、お前が……」


お、おお? 良い感じじゃない?


「なら、隣のお前がボーマンダなのか」
「いや、俺はブイゼルの幸矢だ。勇人ならあそこでアンタの仲間と騒いでるぞ」


幸矢の指差す方を見れば勇人と紅眞君のやんちゃ組が楽しげに話している。その隣では甘酒味のアイスを堪能する碧雅君、あんなアイスあったのか。晶君はその光景を黙って見たかと思うと「……そうか」と一言呟いた。


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