01

(どうしたもんか)


そう私が悩む先にいるのは普段よりもキツい目をしてこちら睨む水色……もとい晶。せっかくの美人さんが台無しだよ。明らかにご機嫌ななめなのがわかる。今朝は珍しく少し鼻歌を歌っていたくらいご機嫌だったのに(歌ってることを気づかれたらすぐやめちゃったけど)。

事の始まりは一本のビデオ電話から。相手はレイナからで、お花見に行かないかというお誘いだった。なんでも以前ナナカマド博士たちと一緒にお花見をしたこともあって、今回も声をかけてくれたらしい。もうそんなシーズンなんだ。そういえば外も桜の花が咲いていた気がする。緋翠が窓から桜を見てリラックスしていたのも記憶に新しかった。


《あの時はフユカやプラターヌ博士も一緒だったんだけど、誠士と緑炎君が酔っ払って大変だったんだよ》
「えっ、あの2人が酔っ払ったの?」


酔っ払った時のことを思い浮かべているのか苦笑いしながら頷くレイナ。ていうかその当時の誠士君ってまだ未成年だったんではというツッコミは置いておこう。ちょっとしたアクシデントがあったんだろうし。


《私がどうかしたのか?》
「誠士君、こんにちはー!」
《あ゛……! なんでもない!》


丁度ウワサをしていた頃にやって来たのは誠士君。相変わらずのイケメンクールフェイスですね。なんだけど、ちょっと雰囲気変わった? 聞いてみるとどうやら進化をしてガブリアスになったらしい。あと勇人君もコモルーからボーマンダに進化したんだって。え、すご。


《ユイも新しい仲間が加わったんだっけ? 紹介がてらお花見来ない?》
「うん、出来れば私も行きたいんだけど……」


如何せんあの2人、特に晶が心配だな。博士たちと一緒にお花見ってことは人が大勢いるだろうし……。ただでさえ人間嫌いだから、絶対行きたがらないよね。でもせっかくの機会、新しい知り合いの輪が広がるのは良い事だし、もし気が合えば友達が出来るかもしれない。ひとまず、行けるよう前向きに検討するとレイナに返答した。

そして通話を切りみんなに話をしたところで冒頭に戻るわけである。みんなが口々に来たる再会を楽しみにしている様子の中、晶は眉間に皺を寄せている。ちなみに白恵は話が分からなくてキョトンとしてる。


「何故わざわざ人間どもの集う場に向かわなければいけない。僕は行かないからな」
「そこをなんとか〜……だめ?」
「……そんなワンパチのような目で僕を見るんじゃない」


ワンパチって何。じーっと見つめる私を避けるように晶は視線を逸らす。紅眞はやはりレイナたちに会いたいのか、身体が小躍りしていた。


[*prev] [next#]






TOP
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -