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《それではこれより、ポケモンなりきり大会の開催を宣言致しまーす!》
(うっ、やっぱ緊張するなぁ)


そして大会当日。私と笑理は参加者控え室に待機して、他の仲間はナオトたちと一緒に観客席で応援してくれている。衣装は無事完成したし、幸矢の頑張りに報いるためにも優勝を決めたいな。どの参加者のポケモンも正統派ななりきりもあればユニークなものもあり、なるほどこれは人気が出そうだと頷くのも納得だった。トランセルになりきるケムッソに、ヤドンになりきるコダック。グラエナになりきるウィンディはこの日のために毛をカットしたんだとか、気合いの入りようがすごい。
……そろそろ、私たちの出番だ。


「笑理、楽しんでこ!」
『うん!』
《続いてのなりきりさんは、レイナさんのパチリスです!》


司会の紹介と共に現れた私と、あるポケモンになりきった笑理。チャームな瞳に広めの耳、白いスカーフのようなものを身に纏う灰クリーム色のポケモン。


《これは! シンオウでは珍しいチラチーノです! 特徴的なスカーフのように身に纏う白い体毛も見事に再現されています!》


パチリスのしっぽはチラチーノより大きい。けれどチラチーノの白い体毛と本体がほぼ同化しているので、そこに合わせて着ぐるみのように被ることで違和感は多少拭えてるんじゃないかな。恐るべし幸矢の手先。元々の顔立ちも似ているから、目元に合わせてサイズを調整したのて動くこともそこまで苦ではない、はず。
流石に空中回転とかはできないけど、ダンスを踊るように体毛を動かしアピールをする。ウケはなかなかいいんじゃないかな? 観客の反応もそこそこに、私達はお辞儀してステージ外へと捌け控え室に戻った。


『ーー……はぁー……! ちょっとドキドキしたけど楽しかった!』
「お疲れ様笑理、後でミックスオレでも飲もう」
「レイナ、笑理! お疲れ様」


來夢が真っ先に控え室にやって来た。続けて他の仲間もそれぞれ労いの言葉をかけてくれる。ナオトたちは流石に人数が多いと迷惑だろうからと遠慮したらしい。別に構わなかったのに。


「やっぱり生で見るなりきり大会は面白ぇな!」
「ああ、俺も初めて見たが参考になるものが多かった」
(何の参考になったんだろう)
「僕も見てて楽しかったな。ナオト達ともどの子が良かったか話をしてて盛り上がったし」
「ちなみに優勝者には賞金とトロフィーが授与されるそうだ」
「優勝かぁ〜……」
「笑理のなりきりも完成度高かったし、いけるんじゃねえか?」


勇人が期待を込めて言うのと同時に審査が全て終わったみたいで、モニターに参加者の顔パネルが映し出された。


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