01

「いやー今日も稼いだ稼いだ! 皆お疲れ様」
『ああ』
『おう!』
『……今日はこれからどうするんだ?』
「この先の街にPCがあるらしいから、今日はそこで泊まろうかな」
『やったー! あたしミックスオレ飲みたーい!』
「はいはい」


本日もうちのバトルエースメンバーのおかげで資金を稼げた。うちには大食漢が2人も居るからね、食費を稼がないと。とある街のPCで部屋を確保しようと立ち寄ったところ、先に受付をしているトレーナーの後ろ姿に見覚えがあった。


「ナオト?」
「……あれ、レイナかい?」
「こんな所で会うなんて偶然だね」


やっぱりナオトだった。普段は私が話しかけられることが多いから驚いた様子のナオトは新鮮だな。肩に乗っていた笑理も嬉しそうに挨拶している。私も部屋を取って勇人達を預けたあとカフェスペースでお茶をすることに。先に席を取ってくれてるナオトを待たせちゃ悪いと急いでカフェに着くと、緋色君が人型になり席に誘導してくれた。


「皆は元気にしてるかい?」
「元気元気。緋色君も変わりなくて何より」
「まぁな。俺が風邪でも引いたら誰がコイツの面倒を見れるかってんだ」
「あぁ……」


確かに、ナオトは料理できな……苦手だもんね。茶化すように言う緋色君になんとも言えない表情で苦笑いをするナオトに何故ここに来たのかを尋ねた。


「ああ、なんでもこの街で面白い催しが開かれると聞いてね。天馬が見たいとせがむからやって来たんだ」
「へぇー。どんな催しなの?」
「“ポケモンなりきり大会”。知ってるか?」
『何それ! 楽しそー!』


こういうことには真っ先に興味を示す笑理がキラキラと目を輝かせてる。でも私も気になるな、名前からして楽しそうだし。“ポケモンなりきり大会”とは、ポケモンが自分とは違うポケモンになりきり、そのなりきり度を競う大会らしい。明日の開催で、当日参加もOKらしくて……ってこの流れはもしや。


『レイナ! あたし出たい!』
「言うと思ったよ!」
「なんだお前ら、出るのか?」
「そうなのかい? なら応援しないとね」
「待って待って! まだこの街に着いたばかりだし準備も必要だし……!」
『……レイナは、イヤだった?』


うっ。そのうるうる目に弱いのを知っててやってるな笑理。でも私も逆らえないのが辛い。


『……実は私も興味があるんだ、レイナ。笑理の為もあるけど……ダメかな?』
「來夢まで……。ちなみに焔は」
『僕は皆が楽しかったらなんでもいいよ。ナオト達と一緒にいるのも楽しいしね』
「ううっ〜……ええいままよ! こうなったら目指すは優勝!」
『『やったー!!』』
『誠士達が戻ってきたらビックリしそうだね』


成り行きで参加することになったけど、完全ノープラン。でもピュアトリオの嬉しそうな笑顔が見られたから、まあいいかな。


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