07


「……にしても、水恋のフユカレーダーはホント正確だよな。俺には真似出来ねぇ」
「あら何言ってるのよ。あんなにバトルフィールドが騒いでたら何かあるのは当然じゃない」
「いやそれは分かるぞ?でもな、あのバトルの最中にフユカ一目散に駆け寄るお前がな?」
「だって!年末会えなかったんだもの!」


ねーと抱きつく水姉さんに苦笑いしつつ、烈を宥める。言葉には出さなかったけど烈は明らかに水姉さんに引いていた。
あの後のバトルは突如私の名前を叫び抱き着いてきた水姉さんの乱入で中断となり、結果はお預け。今は皆を回復させた後再び団欒の一時になった。というかアレックスさん達戻ってくるの早くない?ユイは明日帰る予定なので荷造りをしている。


「にしてもお前ら、緑炎から話を聞いたが中々いいバトルしたじゃねぇか。これからが楽しみじゃねーの」
「またバトルすることになったら私は全力でフユカを応援するわね!任せてちょうだい」
「あはは……あまり目立つと恥ずかしいから程々にね?」
「なら俺はユイを応援するか。おい、絶対水恋に負けんな」
「ひゃい!?」
「ちょっと烈。女の子にそんな怖い言葉遣いと顔で話しかけんじゃないわよユイちゃんが怯えてるでしょ!」
(ていうか理由が水姉さんに負けるなって)


乾いた笑いを浮かべながらユイを見た。またバトルをしたいというのは私も思う。今日は出られなかった蒼真や悠冬。これから仲間になるであろうユイの新しい仲間も交えて。あ、欲を言えばレイナやナオトともまたバトルしたいなぁ。

いつか実現したい未来に思いを馳せつつ、私は変わらぬ日常の光景を見つめた。暖かい心を持つ人達に囲まれたこの空間は、きっとどこにでもあるのかもしれないけど、きっと何よりもかけがえのないもの。


「おいフユカ。ユイも、そろそろ行くぞ」


今夜は贅沢に外食だ。緑炎に呼ばれ玄関に向かうユイに続くよう、私はアルバムに新たに追加された1枚の写真を挟み研究所を後にした。


[*prev] [next#]






TOP
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -