06


『やっぱりお前とか。だが遠慮はしねぇ、お前も全力でかかって来い』
『……何そのラスボスのようなセリフ』
「ユイ、今日はバトルに誘ってくれてありがとう。今すっごく楽しいよ!」
「ほ、ほんと?私もフルバトルってやったこと無かったから楽しい!」

「フユカー!緑炎ー!頑張ってー!」
「ユイと碧雅も……がんばれ……」
「この後のバトルが終わったらミアレガレットを頂きましょうか。どちらが勝っても恨みっこ無しですよ」
「ええ勿論。今日は本当に楽しいバトルをさせて頂きましたから」
『……むにゃ…………あれ、俺何してたんだっけ』
「龍矢!おはよー!」
「あれ、悠冬?……なんかすごくいい夢を見ていたような……なんだっけ?」
「ほら、ご主人達が動き出すよ」

「碧雅、こおりのつぶて!」
「リーフブレードで全部切って!」


先手必勝。碧雅君のこおりのつぶてが緑炎に降り注ぐが流石は相棒。落ち着き払った態度でリーフブレードで全ての礫を粉々に切り、太陽に照らされた氷がキラキラと輝く。今度はこちらから、あなをほるで地中に潜った緑炎に耳を立て音を探る碧雅君。


『ユイ。ここは封じた方が早い』
「私も思った!地面にれいとうビーム!」
「ジュプトルの速さを舐めないでね!緑炎!」
『一足遅かったな』


かそく状態の紅眞君には敵わないけど、ジュプトルも相当素早いんだからね!地面がスケートリンク化する前に攻撃が碧雅君に命中する。攻撃を食らってもれいとうビームは放たれ、フィールドは氷の床に変わってしまった。これは、厄介かも。


『……チッ。動きにくいな』
「良く捉えれば緑炎も更に速くなる……とかは?」
『それもあるが氷はそもそも相性が悪い。早めにカタをつけたいところだな』
『ふぅ。やっぱこの方が落ち着く』
「ねぇねぇ!これバトルが終わったらみんなでスケートとかできないかな!?」
『滑らかに見えてるけど、整地してないんだからでこぼこしてるに決まってるでしょ。馬鹿なの?』


あ、スケート。確かに楽しそうかもね。ユイたちの会話に小さく笑いながら次の作戦を考えていた。悠冬達の声援を受けながら、互いに技を繰り出す。


「れいとうビーム!」
「エナジーボール!」


翡翠色の玉と水色の光線が放たれ、ぶつかったそれはまるでポケモンコンテストの演技のように美しい光となってフィールドに降り注いだ。皆がわぁっと歓声をあげる。雅が特にうっとりしているのが女の子らしいなぁと感じた。
私も感動したいけどまだバトルは続いている。ユイもそれは同じみたいで真剣な顔で次の技を考えていた。そして作戦が浮かんだら楽しそうな顔で、碧雅君と共に挑むのだ。私もそれに応えるように、緑炎と心を通わせて。


「  」
「  」


ああ、この時間がずっと続けばいいのに。


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