03
バトル、スタート!
プラターヌ博士の声がフィールドに響いた。先鋒で私が繰り出したのは雅。ユイは緋翠君を出した。ビビヨンとラルトス、相性の分はこちらにある。
『緋翠が相手ですね。お手柔らかにお願いしますわ』
『こちらこそ、共に主人のために全力を尽くしましょう』
2人とも互いに頭を下げる。丁寧敬語コンビだ……。先発はユイからと事前に決めてあり、ひかりのかべを展開しこちらの技の威力を抑えに来る。こちらはセオリー通り、抜群技で攻めさせてもらうよ!
「雅、むしのさざめき!」
「かげぶんしんで惑わせて!」
羽を振るわせ強烈な音波が緋翠君に襲いかかる。たくさんのラルトスの分身が雅を囲うが一周するよう指示を出し雅がその場で回転をするとむしのさざめきも雅を中心とし命中範囲が広がる。威力は落ちてるけど技は確実に緋翠君に当たった。
「大丈夫!?」
『……ええ。問題ありません』
「雅、あの技出すよ。力を貯めて」
『分かりましたわ』
今日は天気がいいこともあり、光の吸収がより多いように見える。雅の頭上に白い光が集まり、太陽の光を技のエネルギーに変換する。……威力は高いけどやっぱりタメが長いのが玉に瑕だな。ユイも繰り出そうとしてる技に気付き、どう対応するか考えていた。その間にエネルギーは十分に溜まり、いつでも発射できる用意が整った。
「雅、ソーラービーム!」
『えぇ!』
「緋翠、サイコキネシスで向きを変えて」
『……!かしこまりました』
『っ!きゃぁ!』
ソーラービームを受け止めるのではなく、かといって避ける訳でもない。サイコキネシスで雅の向きを下向きにすることでソーラービームは地面に直撃し、その勢いで雅が空中に舞う。なるほど、こんなやり方もあったんだなぁ。……ってやばい。
「もう一度サイコキネシス!」
「雅、まもる!」
危ない危ない。モロに技をぶつけられるところだった。体勢を整えた雅がもう一度むしのさざめきをぶつけ、効果抜群なこともあって緋翠君は戦闘不能になった。……その直前になにか技を出した素振りがあったのが気になるけど、まずはこちらが一勝。
「雅、ありがとう!」
『いえ。相性が良かっただけですわ』
「お疲れ様緋翠。ゆっくり休んでて」
『……はい。申し訳ありません』
「ううん、十分だよ。……行くよ、璃珀」
次にユイが繰り出したのは璃珀さん。やっぱりミロカロスってほんとに綺麗だよね。『よろしく頼むよ、雅さん』と穏やかに振る舞っているけど油断はできない。ここはまたタイミングを伺ってソーラービームで……
「璃珀、れいとうビーム!」
「っ雅、避けて!」
先程の空中に飛ばされたダメージがあったのか。いつもより避けるタイミングが遅かったため雅はれいとうビームを受けてしまいそのまま戦闘不能になってしまった。労いの言葉をかけ雅をボールに戻す。それじゃあ次は……さっきから出せ出せオーラを出してボールを揺らす彼にしようか。
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