01


「なん……だと……」


新年最初の研究所での朝を迎え、緑炎お手製のお雑煮とお節を堪能した。いつの間に作り方を覚えたんだろうと不思議だったけどこの前シンオウに行った時に紅眞君から教わったんだって。雅がとても感激していたのを覚えている。今年は時間が無くて市販の物を使っちゃったから来年は手作りに挑むと秘かに燃えていた。
カロスは神社にお参りとかの文化はまだ浸透してないみたいで、各々家でゆっくりと時間を過ごすそうだ。それに習い私も過去に撮った写真をアルバムに整理していると龍矢が目ガン開きで一枚の写真を見ながら冒頭の言葉を発した。一緒に写真をまとめていた蒼真が首を傾げる。


「……龍矢、どうしたの……?」
「フユカちゃん!これ何!?」
「何って……あ、懐かしー」


それはレイナとユイと皆でアローラに行った時の写真だった。浴衣を着てめかしこんだ3人が花火をバックに撮ったもの。うん、白刃が撮ってくれたんだけどレイナもユイもいい顔してる。私も写ってるのが恥ずかしいけど。これを見た水姉さんにも「来年は絶対私とも行きましょ!約束よ!」って物凄い勢いで両肩を掴まれながら言われたっけ。


「今だけ仲間になった機会が遅かった俺を憎く思うよフユカちゃん。てことは、消去法でこの子がレイナちゃんか」
「そうだよ。ユイやナオトと同じシンオウを旅してる子」
「ふむふむ……この子も2人とジャンルが違えどその良さがまたそそる……」
「姫の友人をそのような目で見るな」
「あだッ!?」


真剣な顔で写真を眺める龍矢の後頭部に白刃の手刀が命中。あ、買い物から帰ってきたんだね。おかえりと声をかけるとすぐさま姿勢をただし、恭しく「戻りました、姫」と一礼する。白刃の後ろの玄関先ではガヤガヤと話し声がする。


「ただいまー!ミアレガレット無事ゲットー!」
「ユイもおかえり。久々のミアレシティはどうだった?」
「どこ歩いてるか全然分からなかった。白刃君がいなかったら迷子になってたと思う」
『人も大勢いたしなー。いっぱい買ってきたからおやつに皆で食おうぜ』
『これがミアレガレット……。甘い香りが食欲をそそりますね』


そう。大晦日をシンオウで過ごしカロスに戻ってきた際にせっかくだからとプラターヌ博士がユイをカロスに招待したのだ。ナナカマド博士が勧めるのもあってかユイも断ることなく一緒にカロスまで来てくれて、こうして束の間の一時を過ごしている。私としても友達と一緒に過ごせるのは楽しいし大歓迎!
ちなみに悠冬と雅は璃珀さんと一緒に街を散歩中で、碧雅君は研究所の本を読み漁っている。
皆が戻ってきたところで丁度お昼の時間になり、緑炎と紅眞君の用意した昼食を食べながらテレビを見てワイワイと楽しい時間を過ごした。

そしてふと、ユイがとあることを言い出したのである。


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