05


「え! 幸矢君ってぬいぐるみも作れちゃうの!?」
「まだ試したことは無い。だが、材料と作り方を見ればある程度はできると思う」
「ほぇ〜……でも他の人に教えられるくらいにはできちゃうんだもんね、凄いなぁ」
「笑理のそのハンカチはレイナ様にプレゼントするのですか?」
「そうだよ! 幸矢に教えて貰いながら作るつもり!」
「確かにこのアップリケ、いかにもレイナって要素が詰まってるもんな〜」
「もし上手く出来たら今度は來夢に、いつかはみんなにも作ってお揃いにしたいなぁって!」
「ぐっ、可愛い」


その純粋無垢な可愛さにたまらず手で顔を覆ってしまう。ブイゼルの幸矢君はそんな私を珍獣を見るかのような目で指差しながら碧雅たちに問いかけた。


「……アンタらの主人はいつもこうなのか?」
「ここ最近色々あったからね。純粋に可愛い子を見て癒されたいんじゃないかな」
「ただのロリショタコンでしょ……うん、美味しかった」
「可愛い子を見て癒されることの何が悪い! ていうか食べるの早いね? 私の分あげようか」
「貰う」
「……見えてきた、あそこだ」


誠士君の言われた場所を見てみれば、チェック模様のレジャーシートを広げてピクニックバッグを真ん中に置き、その周りを“待て”の姿勢で待っている焔君と勇人君。そして來夢ちゃんとレイナが仲良く談笑をしていた。「ただいま〜!」と笑理ちゃんが大きく声を上げたことでみんながこちらに気づき、私たちがいることも分かると驚いた表情をしていた。


「ユイ! コトブキシティに来てたんだね!」
「うん! 偶然笑理ちゃんたちに会ってね! それにしても、こんな綺麗な公園があったんだね」


近代的な作りのコトブキシティから少し離れたところにある、自然豊かな小高い丘の公園。一本の大きな樹が印象的で、ソノオタウンほどの大きな花畑ではないけど色とりどりの花が綺麗に咲き誇っていた。レイナに肩を軽く叩かれたのでどうしたのかと伺うと、璃珀について尋ねられた。そっか、レイナにも紹介しないとねと璃珀をこちらに呼びつける。意図を理解したらしい彼はレイナにいつものように微笑みながら手を差し出した。



「こんにちは。あなたがレイナさんかな?俺はミロカロスの璃珀、どうぞよろしく」
「み、ミロカロス!?」


あ、驚いてる。レイナが驚くって貴重な気がするなぁ。差し出された手をぎこちなく受け取り握手を交わすレイナを見守る。するとレイナも幸矢君を紹介しようとしていたが、ここに来る前に自己紹介してもらったことを伝えると少し驚いていた。


「幸矢、対人関係不器用だから仲良くしてくれると嬉しいな」


苦笑いを浮かべながら耳打ちしてくれた。確かに彼の性格上口数が多いという訳では無さそうだけど、話を振るとしっかり返答してくれるし、心配することはなさそう。碧雅みたいに毒吐かないしとジト目で碧雅を見たら「何見てるの」と変な目を向けられた。

タダで参加させてもらうのは申し訳なかったので、余分に買った(恐らく殆ど碧雅の食べる分)アイスをデザートとして渡した。お弁当を広げ、席に座って、各自飲み物を持って、準備は整った!


「それじゃトレーナーの私たちが代表ってことで」
「えぇ!?……じゃあ、か、乾杯〜!」


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