01

「お待たせ致しました。お預かりしたポケモンは、みんな元気になりましたよ」
「ありがとうございます!」


受け取った4つのボールをホルダーにセットし、PCを経つ。私たちは今、マサゴタウンに戻ってきていた。何故かと問われれば単純で、ナナカマド博士に呼ばれたからだ。この前仲間になったミロカロスの璃珀が色違いということを説明したところ、生で見てみたいという博士の要望のためこうして戻ってきたのだ。璃珀にも確認をとったところ、快く承諾してくれたから。


(普段お世話になってる分、このくらいは恩返ししないとね)


博士の観察タイムも終了し、PCで回復後は久しぶりにコトブキシティでゆっくり過ごそうかと考えていた。すると今度は紅眞がマサゴタウンに海があることを知り、海に行きたいと言い出したのだ。時計を確認すると時間も余裕があるので、急遽海に行くことになった。
マサゴの海は相変わらず穏やかな波と澄んだ海の水がとても綺麗で、自然の優しさを象徴してくれる。みんな人型になり各々シータイムを満喫している。そういえば、ここで私と碧雅はパートナーになったんだよねぇ。懐かしいなぁと感慨深く話しかけると「そんなこともあったっけ」と本人はそこまで気に止めてない様子だった。


「ショック!」
「違うよご主人。碧雅くんのこれは単純に……」
「凍らされたいの?」


目が怖いわ。そんな碧雅をものともせず笑ってやり過ごす璃珀はある意味大物だよ、うん。


「すぅ……やっほー!」
「紅眞、その叫びは山に登った時に使うものでは……」
「細かいことは気にすんなって!海見ると、アローラに行ったことを思い出すよなー」
「へぇ、アローラに行ったことあるんだね」
「うん、友達と一緒にね」
「えっご主人、友達いたのかい?」
「泣くよ?」
「ふふ、ごめんね。冗談」


まあ璃珀もからかって言ってきてるのが分かるけど、もはや当たり前になってきた頭の一撫で。初めはビックリしたし恥ずかしかったけど少しずつ耐性がついてきた。それでも時々照れる時はあるけどね。
それにしても、友達かぁ。きっと頭に思い浮かべている彼女たちも、各地を巡り私と同じように頑張っているのだろう。


「……そろそろ動いた方がいいね」
「ホントだ、もうこんな時間!」


みんなを集めボールに入ったのを確認し、私はコトブキシティへと足を進めた。


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