04


そして次の日、時刻は夕方になった頃。
この日の昼間はリリィタウンに行き、マハロ山道の先にあるこの島の守り神? らしいポケモンを祀っている遺跡を見学させてもらった。
レイナやフユカはこういった歴史を感じさせる物が好きみたいで、とても興味深そうにしていたのを覚えている。
私はどちらかというとこの地方のポケモンに興味があって、モクローやニャビーといったこの地方の御三家のポケモンにメロメロだった。

そして男性陣は祭りの広場で待っててもらって、私たちはショッピングモールへ。
店内のある一角が丸々浴衣のレンタルスペースになっていて、色とりどりの綺麗な浴衣が並んでいる。

ど、どれにしよう……。
ちなみに浴衣を着る時は店員さんが手伝ってくれるらしいんだけど、私たちには雅ちゃんがいるから今回はお世話になることは無さそうだ。


「皆さん、選び終わったら教えてくださいね。僭越ながら手伝わせていただきますわ」
「どれもこれも綺麗だから迷っちゃうなぁ……これはトサキント柄?
これは……ラランテス柄」
「人気なのはハクリュー柄、キュウコン柄とかでしょうか」


なるほど、この世界ならではの柄だね。
よく見ると、ポケモンのモチーフの柄だけではなく、私のいた世界でもあったような花柄もある。
無難な方にしようかと一瞬考えたけど、せっかくの機会だからポケモン柄にチャレンジしてみたいよね。
ただポケモン柄は種類がほんとに多くて、私もポケモンのことを完全に覚えきれてないから分からないものが多い……!
みんながそれぞれ好みの物を選び始めた中、私はまだあたふたしていた。


(あ、これは見たことあるかも)


目に入った浴衣を手に取りタグを見ると、ケイコウオ柄と書いてあった。
確か“海のアゲハント”って呼ばれてるんだっけ。色合いも良いし、これにしようかな。


「雅ちゃーん! 決まった!」
「皆決まったね! 楽しみー!」
「あれ來夢と笑理、同じ浴衣じゃない?」
「うん、お揃いにしようと思って」
「プラスルとマイナンかー、双子コーデだね! 後で写真撮らせて!」
「ふふ、皆さんの変身が楽しみですわね」
「あ、勿論レイナナ達もバッチリ撮るからね!」
「「え゛」」


思えばこんなに沢山の友達に囲まれて、こんなに楽しい場所で、こんなに素敵な思い出を作ることができるだなんて前までは想像できなかったな。


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