03



そして時間が更に経ち、次の日の朝。

レイナちゃん達は今日出発する予定だったらしく、旅支度を既に整えていた。


「ユイ達はもう一泊するんだね」

「うん、もう少し休んでから行こうと思うよ」


ショップで買い物もしたいし、散策も終わってないからね!

昨日はみんなでお泊まり会をして女の子同士で仲良く寝させてもらった。

男部屋はどうすごしたか分からないけど、隣からドンドン音がしていたのでヤンチャ組が枕投げでもしてたんだと予想する。

來夢ちゃんと笑理ちゃんが私の前に来る。その顔はどことなく寂しそうに見えた。


「ユイ、あたしユイと会えてよかったよ!」

「私も! 仲良くなれて嬉しい!」

「……わ、私もだよ2人ともぉ!」


人目を気にせずギューッと2人を抱きしめる。

あああ可愛い癒される……! 碧雅の変質者のような行動しないでくれるかなと毒舌が聞こえた気がするけどきっと幻聴だ。


「気の所為じゃないから。水でもかけてあげようか」

「ごめんなさいその手に構えているみずのはどうをしまっていただけないでしょうか」


気候が涼しいおかげか、今日は外に出ても平気そうだ。

どうやら昨日の勇人君との口約束を果たしてくれていたみたい。結果はどうなったのか後で聞いておこう。

各々過ごしていた仲間を呼び戻し、みんなを見渡すレイナちゃん。


「みんな揃ったかな? それじゃあ行こうか!」


みんなから元気よく返事をもらった(誠士君は静かに返事をしていた)後、ボールに戻すレイナちゃん。

そして、私の前に手を差し出す。


「また会おう、ユイ。私たち、友達なんだから!」

「……っ」


ともだち。

その響きがとても嬉しかった。

私はレイナちゃんの手をしっかり両手で掴み、お互い握手をした。


「っうん! うん! 絶対また会おうね!」


偶然出会った2匹のポケモンから、沢山の友達が増えた。

あなたの旅路に、たくさんの幸運がありますように。

そう祈りを込めながら見送った。

レイナちゃんの背中が完全に見えなくなって、さて私も準備しないと……と思った時、ふと気づいたことがあった。


あれ、そういえば


(レイナちゃん、あの時碧雅と勇人君の言葉がわかってたような……?)


かくいう私も原型の2人の言葉を無意識のうちに理解して話していて、無事レイナちゃんから疑問を抱かれていたらしい。

お互いポケモンと話せることを知ったのは次の日、旅立つ前に交換した電話でのやり取りのことでした。


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