05
お屋敷の中に入ると、数人のメイドさんが出迎えてくれた。
クロエさんというメイドさんに荷物を預けてみんなをモンスターボールから出す。
フユカのとこのメンバーも合流して、一気に賑やかになった。
緑炎さんたちも元気そうで何よりだ。
「あら? 白恵、どうかなさいまして?」
「……おにいちゃん、だぁれ?」
白恵がジーッと見つめているのは龍矢君。
そういえば何となく雰囲気が変わってるような……?
「白恵君、彼は龍矢君だよ」
「あー……まぁそういう反応になるよな。
オンバットからオンバーンに進化したわけだし」
金色の瞳はそのままに、くせっ毛のフワフワだった髪が今はストレートになっている。
紅眞や緋翠もそうだったけど、進化するとかなり印象変わってくるよね。
「ほぅ? ならチャラ男は僕のバトルの相手をしろ。
同じドラゴン・飛行同士、どちらが上か決めるのも面白そうだ」
「チャラ男とは心外だなぁ。俺は俺のポリシーを持った上で女の子に接してんの!
まぁでも、バトルは面白そうだし良いよ。俺も晶には親近感持ってたからさ」
「森トカゲと狂信者1号、お前たちも付き合え」
「……森トカゲって俺か?」
「狂し……!? ん"ん"っ!
……良いだろう、今こそバトルを通じて姫が素晴らしい御方であることを証明してみせる!」
「それはいらん」
「はーい、みんな盛り上がってるとこ悪いけど注目ー」
フユカの声に、碧雅たち全員の視線が私たちに集中する。
「私たちはこれから大事なミッションがあります。だからみんなは各自、好きなように過ごしてね。
バトルするも良し、町を散策するも良し。でも周りの人に迷惑をかけるようなことはダメだよ」
まぁみんなのことだし、心配はしてないけどね。
「あと最後に1つ。お屋敷の中で過ごすのは自由だけど、食堂にだけは入らないでね。
立ち入り禁止の場所にも入らないように!」
じゃあ解散! の言葉と同時に、みんなが思い思いに行きたい場所へ移動する。
それを見送った後、私とフユカは食堂へと向かった。
フユカと一緒に食堂へ向かうと、そこには栗色の髪の執事さんとメイドさんがいた。
2人は私たちが来たことに気付くと、フワリとした笑顔で"お帰りなさいませ"と会釈する。
「ジャンさん、ソフィアさん、今日はよろしくお願いします」
「かしこまりました。良い贈り物が作れるよう、我々も精一杯お手伝いいたします」
「材料は私たちで買い揃えましたので、ご安心くださいませぇ。
それで、本日はどのようなチョコレートをお作りになりますかぁ?」
ここに向かう途中、フユカと一緒に考えたチョコレートをジャンさんたちに伝える。
普段あんまり料理しないけど、上手くできるかなぁ?
「なるほど、それは良いアイデアですね」
「ウフフ、何だか私まで楽しくなって来ちゃいましたぁ」
たくさんある材料を前に、よし! と腕まくりする。
頑張って作って、みんなをビックリさせるぞー!
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